- 動かぬ仮想通貨市場に新たな変化
- ビットコインの60日価格変動率が2018年11月以来の低水準になったほか、ショートポジションが増加傾向にあることがわかった。
動かぬ仮想通貨市場に新たな変化
仮想通貨市場は、3月に入り価格が停滞、ビットコイン価格も3万円幅のレンジ内での推移が続いている。
ビットコインのマーケットデータでは、60日ボラティリティインデックスが、2018年11月以来の低水準に落ち込んでいることがわかった。
ビットコインボラティリティが低水準を記録した昨年11月は、ビットコイン価格が大きく変動する直前の時期にあたり、昨年末の1BTC6,000ドル付近で推移していた時期に該当する。(2017年からの長期チャート参照)
ボラティリティの低下をどのように見るか、という点では複数の専門家の見解がある。
下落基調にある相場を転換させる上で、複数のインジケーターの方向性を変える時期とみる見方もある一方で、現在のボラティリティの低下が、サポートラインによる一時的な動きであり、現在の底値付近で硬い動きを継続しているビットコインも、まだ底値を確信するには早い」との見解もeToroのアナリストGreenspan氏などから出ている。
これは、ボラティリティが上昇傾向に転じる場合でも、下落方向への可能性も考えるべきだとする意見だ。
LS比率に新たな兆候も
また、このようなボラティリティの低下を受けてか、各取引所のLS比率に新たな兆候も確認されている。
LS比率とは
“比率”と銘打っているが、その実買いポジションと売りポジションの数量の絶対値である。マーケットに入っているロングとショートのポジション数を比較することで、大口の動向やトレンドの先読みをある程度推測することができる。
まず、各取引所のLS比率推移から掲載する。
Bitfinex
BTC先物(CME+Cboe)
これらの動きを見ていくと、Bitfinexではショートポジション数が増加、2019年1月以来のLS比率50:50に近づく動きが確認できるほか、米先物取引では1月以降増加傾向にあったショート比率が、直近でさらに続伸していることがわかった。
また、このほかにもBitMEXのLS比率が50:50付近まで収束するなどbitfinexと似た動きが見られており、これらの取引所におけるLS比率の動きとして、ショートポジションが増加傾向にあるといった変化が確認されている。
ショート比率が増加している背景には、ビットコインの短期的な価格に対する不確実性などが影響している可能性があり、ショートポジションの増加は、市場において相場の下目線を見る人が多いということ示しているものの、その一方で、積み上がったショートが価格を上昇させる方向に働く可能性もあることも踏まえて考える必要もある。
これは、ショート(売り)を行なった人が、ポジションを解消する際、買いで決済する必要があるためで、価格が下がったタイミングで利確に動けば、そのポジション解消の動きで下落が抑制されることになる。
また、ショートポジションが増加傾向にある中で、価格が上昇に転じた場合、ロスカットによる強制決済が連鎖することで、急激なショートポジションの減少とともに価格の暴騰が見られるケースがある。(逆も然り)
ただ、このケースを想定する場合、ポジションの購入タイミングや、実際のポジション数など、複合的な要因を見ていく必要がある。まず一つ目に、ポジションが短期的に(短期間で)増加傾向にある点が現状の注意点として挙げられる一方、ポジション増加数に関してみれば、3000-5000BTCの範囲に留まっているため、今後のLS比率の傾向を追って見ていく必要がある状況にあると考えられる。また、直近の低ボラティリティが影響し、ポジションの購入「タイミングも、下限が限定されており、上昇に転じる動きが見られれば、ショートカバー等も市場に意識される可能性は十分にあるだろう。
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