はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ブレグジットでEU側が「4月12日」に最終通告、ビットコインなど仮想通貨市場への影響は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブレグジット(英EU離脱)問題が及ぼす影響
世界経済の先行き不透明感を強める英EU離脱問題について、離脱交渉期間の延長に合意した。今後の動向が、英ポンドやビ仮想通貨市場への波及を含め、金融市場にどのような影響を及ぼすか、投資家の関心の的となっている。

ブレグジット(英EU離脱)問題が及ぼす影響

世界的な政情不安を招いている、英国の「EU離脱問題(ブレグジット)」について、欧州連合加盟国の首脳は21日、離脱交渉期間を3月29日以降に延長することで合意した。

離脱協定が来週中に英議会で承認・可決されなかった場合の離脱日は4月12日となるとされ、EU側が、4月12日までに「合意なき離脱」か「離脱の長期延期」かのどちらかを選ぶよう最終通告した格好だ。

テリーザ・メイ英首相は20日、欧州連合(EU)に離脱期限の6月30日までの延期を要請しており、欧州理事会は同日、「英議会で離脱協定案が可決するという条件」さえ満たされれば、EU加盟国は英国の延期要請を承認できるとの見方を示している。

英議会で問題となってるのが、「バックストップ(安全策)条項」と呼ばれるものだ。

EUの関税同盟からの離脱を求める英国だが、離脱後に欧州連合との間で貿易に関する明確な合意が得られるまで、一時的にEUの貿易(関税)の枠組み内に留めておくというものになる。

英国は対欧州の貿易赤字が深刻であり、この条項が事実上「EU残留」と同義になるとして、離脱強硬派が反発しているようだ。

英下院は今年1月、テリーザ・メイ首相がEUと取りまとめた離脱協定を否決しており、今月20日、欧州連合(EU)に離脱期限の6月30日への延期を要請していた経緯がある。

国際金融市場への影響

英ポンド(GBP)は、ボラティリティが高い法定通貨で、急騰・急落が発生しやすいことで知られている。

今回の離脱延期は、あくまで延命策であり、離脱問題自体が解決したわけではなく、ブレグジットに関する今後の動向が、英ポンドや、ビットコインなど仮想通貨市場への波及を含め、金融市場にどのような影響を及ぼすかどうかも投資家の関心の的となっている。

このような政情不安をきっかけとした混乱は、世界の金融市場にも動揺を与えることはままある。

昨年11月15日、イギリス経済の先行きへの懸念から、英ポンドは米ドルに対し1.30%下落し、2016年10月以来最大の1日の下落幅を記録した。対ユーロでは、ポンドは2%減の1.13ユーロに達した。

急落の様子は、下図になる。

ロンドン証券取引所では、英国内事業関連のFTSE上場企業の株式が大幅に売られ、中でも、Royal Bank of Scotland株は、▲9.6%という最大の下落幅を見せ、時価総額28億ポンド(約4,064億円)を失う結果となった。

また、ブレグジット問題の発端となった2016年6月の英国民投票では、事前調査の大半が市場コンセンサスとして「ブレグジット回避」を見込んでいた安堵感から急転したことで、EU離脱の可決が”ネガティブサプライズ”として市場を揺るがし、日経平均株価は、16,333円から1286円(7.92%)安の大暴落を記録している。

このようなブレグジットに関する先行き不透明感は、特にイギリス国内経済と関連の深い、銀行、小売業、住宅建設業関連株価に影響を与えるとされるが、英金融行動監視機構(FCA)は、市場のボラティリティに関して、証券取引所、大手銀行、資産運用会社との定期的な連絡を取り、対応を図っていると述べている。

景気後退(リセッション)など世界経済への市場不安は、欧州に限った話ではない。21日に発表された米FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文では、経済・金利見通しでドットチャートにおいて、年内の利上げ予想を撤回。前回調査時の2回利上げからゼロの水準に下方修正された。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「経済が良好」だとしているものの、従来予定していた2019年利上げの停止と、バランスシート縮小を切り上げる方針を示したことで、大幅な政策変更を余儀なくされたことも市場に不安を与えている。

仮想通貨市場への影響

なお、世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスは昨年6月、英EU離脱問題を念頭に、英領ジャージー島にの独立行政法人「Digital Jersey」と覚書締結を行っている。

今年1月には、法定通貨ユーロ建ての取引所「Binance Jersey Exchange」の登録数について、想定を大幅に上回る需要に”圧倒されている”と明かした。

英EU離脱問題に関連し、法定通貨である「英ポンド」や「ユーロ」の急落懸念が強く燻っていることから、資金の避難先としてビットコインなどの仮想通貨需要が高まる可能性も指摘されている。

しかし一方で、過去の相場では、国際金融市場が極端なリスクオフに傾いた際は、連動して下げる相関性も見せている。

例えば今年1月3日、日本時間7:30に約1万円幅ほどビットコインは急落を見せたが、同時間帯の世界金融市場を確認すると、年始で薄商いの中、為替レート109円台から一時104円85銭まで大暴落(その後反発)しており、同タイミングでビットコイン価格も急落している(下図参照)ことから、価格推移には相関性が認められる。

TradingViewのBTCJPYチャート(上側のチャートがBTC価格)

発端となった米Apple社の2019年第1四半期決算における「売上高予想」下方修正を嫌気して、「日本円」が急激に買われた上、年始の薄商いの中で投資家のストップロスを巻き込んでフラッシュクラッシュしたとされる。これを受けて、ユーロ円なども一時急落した。

また、日経平均株価が前日比1,000円以上大暴落した昨年10月11日の株式市場では、売りが殺到したことで注文が寄り付かず(売りと買いが約定せず)、投資家の損失が大方確定する10:00過ぎには、仮想通貨市場も堰を切ったように暴落を開始した。

TradingViewの機能を使用した下図では、青いラインが日経平均株価、赤の大陰線がビットコイン価格を重ねて比較・検証したものになるが、大規模な急落が連動していることから、今回に関しては「相関性」が確認できる。

今回の英国の”合意なき離脱”について国際金融市場は織り込んでおらず、イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏は2018年11月、「最悪のシナリオの場合、英ポンド(GBP)が25%暴落することもあり得る」と述べ、英国の金融業界団体U.K. FinanceのStephen Jonesも、「EUからの合意なき離脱は、金融業界に壊滅的な結果を招くかもしれない」と警鐘を鳴らした。

CoinPostの関連記事

英臨時閣議でEU離脱をめぐる「ブレグジット合意案」承認も前途多難:仮想通貨市場にも動揺が波及する可能性
英国のメイ首相が「EU離脱協定の合意案」を承認、これに伴い大臣が辞任した事に伴い、政情不安で英ポンドが急落するなど、金融市場に動揺が広がっている。最終的な離脱期日となる2019年3月29日は、仮想通貨市場にも影響を及ぼす可能性がある。
国内景気は不況を示唆する「リセッション」にあるのか?内閣府が基調判断を下方修正|仮想通貨ビットコイン市場への影響を探る
日本政府が発表した「景気動向指数」が、3ヶ月連続で悪化した。リセッションが深刻化すると恐慌に陥るとされるが、世界的金融危機など地合い悪化時の仮想通貨市場への影響を探る。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。
05:45
米CME、ソラナとXRPの先物オプション取引を10月に提供予定
世界最大のデリバティブ取引所CMEグループが10月13日にソラナとXRPの先物オプション取引を開始すると発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧