はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ビットコイン市場暴落「5つの要因」激動の相場を時系列で振り返る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン暴落の背景は

ビットコイン(BTC)価格は、歴史的な下落を記録。3月6日に96万円台だったBTC価格は一時45万円の半値水準まで急落。その後も乱高下が続く形で、上値の重い軟調相場が続いている。

この1週間の急落の主な要因は、世界的な新型コロナの感染拡大を受け、混迷を極める世界経済とそれに伴う金融市場の暴落との見方が強いが、BTC単体でも悪材料もいくつか見られた。

以下では、この1週間のBTC暴落の原因となる主な出来事を時系列で振り返る。

2/24〜 株式市場の歴史的暴落、ポジション清算がBTC市場にも波及

BTC価格暴落の最も重大な要因は、株式市場の記録的暴落だ。

2月24日からの1週間、世界的なコロナウイルスの感染拡大懸念から各主要国の株式市場で連鎖的な暴落が発生。米ダウ平均株価は、実にマイナス12%もの週間下落率を記録した。

9日には、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国との協調減産をめぐる交渉が決裂し、原油価格が大幅下落。米ダウ平均株価はサーキット・ブレーカーが発動し、約7.8%の大幅安となった。

13日にはトランプ大統領による欧州渡航制限の発表を受けて1週間で2度目のサーキット・ブレーカーが発動。ダウ平均株価は約10%安と記録的な急落相場となった。

コロナウイルス感染拡大とそれに伴う実体経済への深刻なダメージを懸念して、株式や為替市場がリスク回避姿勢を強めたことで、BTCにも売りが波及。3月上旬には90万円台で推移していたBTC価格は一時45万円台(bitFlyer)まで急落した。

株価との比較

これを受けて、投資家が資金確保のために様々なアセットクラスのポジションを清算。リスクオフ時に安全資産として買われる傾向のある債権や金(ゴールド)までもが、換金売り需要の急拡大に伴い、9日以降は売られる展開にある。

リサーチ企業Global Macro InvestorのCEOは、BTCの暴落の原因がヘッジファンドのポジション清算にあるかもしれないとの見解を示した。

また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン(BTC)先物データからも、2月下旬以降、大口投資家が先物のポジションを減少させていることが明らかになった。

3/7 仮想通貨詐欺PlusTokenの保有通貨13,000BTCが移動

7日には、PlusTokenが保有する仮想通貨のうち、1.3万BTCが新たにミキシングサービス(複数の取引データを混ぜ合わせ元々の保有者を判別不能にするサービス)へ動かされたことがわかった。

PlusTokenは、18年より開始された高利回りを謳った中国のウォレットサービスで、過去最大規模の仮想通貨詐欺案件と指摘されている。

PlusToken首謀者は2019年8月にも2.3万BTCをミキシングサービスを通じて売却していたことが明らかになっており、その際にもBTC価格が急落している。

3/12 フラッシュクラッシュが発生、流動性低下する市場でロスカットの連鎖

取引板が薄くなるなど流動性が低下する薄商いの中、12日には30分でBTC価格が20%以上急落する「フラッシュ・クラッシュ」が発生。

記録的な下落は投資家のロスカットを誘発。BitMEXでは過去最大級の19万BTC(1100億円相当)のポジションが清算された。

さらに、BTCデリバティブ取引でも、24時間で約11億ドルにまで合計清算額が跳ね上がり、過去18か月間で最高額となった。

3/12 一部マイナーの収益性が赤字転落、半減期後の懸念拡大

12日のBTCは、前日比40%近い下げ幅を記録し、一時50万円台まで急落した。

これを受けて、安価なコストとマシン供給ラインが確保できない一部のマイナーから、収益性が赤字に転落。ネットワークの計算力を示すハッシュレートも約20%減少した。

現在のマイナーの平均損益分岐点は1BTC 70万円から80万円と試算される。5月の半減期後にはこれが120万円を超えるとの試算もあり、マイナーの収益性に懸念が広がっている。

マイナーの撤退が相次げば、収益性を維持できる大手マイナーにネットワークが寡占化する可能性があり、セキュリティリスクが高まる。

バブル崩壊後の2018年、ハッシュレートの急落とともに市場価格が下落した事例があるように、マイニングに関連した負のスパイラルに対する懸念が高まっている。

3/13 BitMEXへのDDoS攻撃、取引所インフラに負荷

大手仮想通貨取引所BitMEXでは13日11時にサービスが一時停止。21時にもサイトに遅延が生じた。同社は、サイトの遅延や停止がDDoS攻撃によるものであったと発表した。

「DDoS攻撃」とは、ネットワークを通して複数のコンピューターから標的のサーバーに大量の処理要求を送り付け、サービスを停止させる攻撃。

BitMEX以外でも複数の仮想通貨取引所でシステム負荷によって取引に遅延が発生。流動性が低下しボラティリティが高まる局面で、取引所のシステム面に懸念が生じた。

仮想通貨取引所Geminiはこれを受けて13日に緊急メンテナンスを実施。

仮想通貨デリバティブ取引所FTXのCEOは、「データベースの1つに過剰に負荷がかかり、注文板に遅れが生じている。機能を維持するために注文に制限をかけなくてはならない」とツイートした。

CoinPostの関連記事

ビットコイン採掘市場に「黄信号」か、仮想通貨時価総額は1540億ドルに半減
13日の世界的金融市場の歴史的な暴落に伴い、ビットコイン価格は急落。ハッシュレート減少で、BTC半減期を見越した仮想通貨マイナーも強気姿勢から一転、採算割れに伴う各種懸念が広がっている。
ビットコイン大暴落で数億ドルの「マージンコール」発生、大手仮想通貨ローン企業で
ビットコインの歴史的急落に伴い、仮想通貨を担保とするローンで大規模なマージンコールが発生。MakerDAOはETH暴落で一時緊急閉鎖まで迫られた。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/14 日曜日
11:30
来週FOMCの焦点は? テクニカル的な買いがビットコイン相場を押し上げる可能性|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による今週のビットコイン週次レポート。米雇用統計の大幅下振れとインフレ鈍化を受けFRB利下げ期待が高まり、BTC円は8月23日ぶりに1700万円を回復した。来週のFOMCでは年内3回の利下げ織り込みと政策金利見通し下方修正が焦点。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|新経連の仮想通貨税制改正提言に高い関心
今週は、トークン化されたポケモンカードのブーム、ナスダックのトークン化株式の取引承認申請、一般社団法人新経済連盟の仮想通貨税制改正提言に関する記事が最も関心を集めた。
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
10:35
ビットコイン上昇鈍化、株との相関崩れる:トレジャリー企業動向と利下げ観測が焦点|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは上値の重い推移を続けている。米株価指数や金(ゴールド)が最高値圏に位置している一方で、ビットコインは上昇に伸び悩んでいる。その背景は?
10:00
コインベース、SECの文書破棄を問題視 裁判所に制裁求める 
仮想通貨取引所コインベースが米証券取引委員会の公文書破棄を問題視し、連邦裁判所に制裁措置を求めた。ゲンスラー前委員長のメッセージが破棄されていたことが監査で判明した。
09:45
Blockstreamら3社、東京で非公開のイベント開催
仮想通貨ビットコインのインフラ開発企業Blockstreamらは東京で非公開のイベントを開催。テーマは「ビットコインとRWAでアジアの金融変革を推進する」である。
08:40
イーサリアム、機関投資家需要拡大でオンチェーン活動が過去最高水準到達
Cryptoquantの最新レポートによると、イーサリアムは機関投資家の需要拡大により強固な上昇サイクルを示している。
07:10
ポリマーケット、90億ドル評価で資金調達検討 チェーンリンク提携も
予測市場プラットフォームのポリマーケットが90億ドル評価での資金調達を検討している。競合のカルシも50億ドル評価での調達を進めており、両社の成長が加速している。
06:30
WLFI、トークンバーン提案で99%の賛成票を獲得
ワールド・リバティ・フィナンシャルがWLFIトークンの買い戻し・バーン提案を発表した。現在99.57%の賛成票を獲得し、流通量減少によるパフォーマンス改善が期待される。
06:10
ジェミニがナスダック上場実現、ウィンクルボス兄弟はビットコイン100万ドル到達を予想
ウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所ジェミニがIPO上場を果たした。株価は28ドルから40ドル超に上昇し、ビットコイン100万ドル予想も発表した。
05:45
テザー社、米国規制対応ステーブルコインUSATを発表
テザー社が米国規制準拠のドルステーブルコインUSATを発表。ホワイトハウス仮想通貨評議会の元高官ボー・ハインズ氏がCEOに就任。
09/12 金曜日
16:00
AIと仮想通貨がもたらすサイバー空間の新たな脅威|WebX2025で語られた国家安全保障・金融リスク
大型Web3カンファレンス「WebX」では「クリプト・サイバーリスク: 国家安全保障、金融、Web3」をテーマとしたパネルセッションが開催され、金融犯罪や仮想通貨犯罪を助長すると同時に防止にも役立つという二面性を持つテクノロジーの使用に焦点が当てられた。
14:52
GateグループCEOのハン博士がCEX・DEX市場動向を解説、今後の日本展開計画も明らかに|WebX2025
Gate.ioのリン・ハンCEOがWebX 2025で登壇。世界3,600万ユーザーを抱える同社がCEXとDEXの市場分析を発表。2030年までのビットコイン価格予測や日本でのライセンス取得、2025年中の日本市場参入計画について言及した。
13:55
ギャラクシー・デジタル、800億円相当のソラナを取得 ノボグラッツCEOは「ソラナシーズン」と評価
「ソラナシーズン」とみなすギャラクシー・デジタルは過去24時間で231万SOLを取得。フォワード・インダストリーズへの16.5億ドル投資参加に関連する動きか。
13:14
米国でハイパーリキッドETF申請計画|Paypalもステーブルコイン提案へ参加
バンエック社が米国でハイパーリキッドのステーキングETFを米国で申請予定。パクソス社もペイパル連携でステーブルコイン提案を発表。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧