はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

デジタル人民元へ中国大企業の参加続々、口コミサイトから配車サービスまで

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大企業が続々とデジタル人民元に参加

中国の大企業が、次々とデジタル人民元プロジェクトに参加している。一方で、中国のデジタル決済市場シェアの9割を占めるアリペイとWeChat Payはテストに参加していないことから、二社のCBDCとの距離感について様々な推測を呼んでいる。

中国最大の口コミサイト「Meituan Dianping(美団点評)」が、新たにデジタル元のテストと実装において、中国人民銀行を支援することが判明した。「美団点評」は電子商取引プラットフォームを運営しており、レストランや旅行代理店などと消費者を結び、スマホアプリには店舗の口コミも掲載。約4.5億人の顧客が登録、約600万の企業が製品の販売に使用している巨大プラットフォームだ。

また、UberChinaを買収した配車サービス大手で、5億人を超えるユーザーを持つ「DiDi Chuxing(滴滴出行)」、動画等のストリーミングプラットフォームで、ユーザー数は2億人近い「Bilibili(哔哩哔哩)」も、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元への参加を決めている。

DiDiは、デジタル人民元による決済を受け付ける世界初の民間企業になることも報道された。

こうした大手プラットフォームでは、毎日数十億ドル相当のトランザクションが行われており、ユーザーは中国だけでなくオーストラリアや南米の国にも分布、10億人を超える。

もし仮に国際的なアプローチが実現した場合、デジタル人民元決済(DCEP)は膨大な数のユーザーにアクセスできるようになり、普及速度は加速すると見られている。

これまで、国営銀行や、ファーウェイ(Huawei)、チャイナ・テレコムを含む20社以上がデジタル元プロジェクトに参加。一方で現在のところ、大手決済システムのアリペイとWeChat Payはリストに含まれておらず、これからデジタル人民元とどのような関係性が構築されるのか注目されている。

デジタル人民元決済(DCEP)と民間決済の違い

DCEPと民間決済システムの違いとして、まずDCEPはオフラインでも現金を転送できることが挙げられる。「タッチアンドタッチ」と呼ばれる機能により、AppleやSamsungなどで使用されているような近距離無線通信(NFC)を介して、2人のユーザーがモバイルデバイスで送金を行うことが可能だ。

また、取引手数料の面でも大きく異なる見込み。 AlipayとWeChat Payは、マーチャントとユーザーにプラットフォーム外の外部トランザクションについて料金を請求する。

WeChat Payユーザーは、WeChatウォレットの残高から1000人民元(約1.5万円)を超える金額を引き出すと、0.1%の手数料を支払う。アリペイでは、2万人民元(約30万円)を超える引き出しについて0.1%の手数料が請求され、マーチャントは商品代金支払いがあるごとに0.55%の料金がかかる仕組みだ。

一方、現在のところDCEPは手数料を請求しないと予想されており、このことによりユーザー、特にマーチャントはデジタル元を好み、民間決済プラットフォームの人気を奪う可能性もあると指摘する意見もある。

各国政府が、CBDCを開発している理由の一つとしては、決済システムの制御権を民間企業に独占させないようにすることもあるとされる。したがって、中国政府が二社から支配権を奪うためにDCEPを立ち上げることも考えられる。

関連:スウェーデン中央銀行、CBDCの必要性や導入プランを詳細に検討

ただ、CBDCと民間決済は共存すると論じる専門家もあり、例えばフィンテックコンサルティング企業Kapronasiaの取締役Zennon Kapronも、「中国人民銀行がアリペイやWeChat Payを介して、DCEPを直接配布するかどうかは不明だが、両方のプラットフォームがDCEPウォレットをサポートするだろう」と見解を述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
07:30
米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど
ビットコインやイーサリアムに続き、ソラナやリップルなど多数のアルトコインETF申請が進行中。2025年の米国規制環境で加速するETF審査状況を整理しました
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧