アジアトレーダーが主導か
暗号資産(仮想通貨)XRPが直近安値0.17ドル(12月30日)から、0.37ドル(1月8日)に、約+120%続伸していた。
12月末に発表された米証券取引委員会(SEC)のリップル社に対する提訴を受け、大手コインベースを含む一部の米国仮想通貨取引所はXRP取引の一時停止を相次いで発表。XRPの価格は昨年の年末にかけて続落していたが、価格は安値から大幅に回復してきている。
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最新データなどによると、XRPの「dip買い」はアジア投資家が主導していた可能性が高いと見られている。
Coindeskが掲載したXRPの出来高データでは、ステーブルコインUSDTの他、韓国ウォンのXRPペアの出来高が1月7日などのタイミングで大幅に伸びていたことがわかった。データが収集された主な取引所は、Upbit(韓国)、Bithumb(韓国)、コインベース、クラーケン、バイナンスなどがある。
USDTは中国などアジアの地域では主要基軸通貨として利用されており、韓国ウォンは基本韓国内で利用されているため、取引アクティビティは主にアジアなどにあったと見られる。一方、米ドルの出来高はUSDTや韓国ウォンに比べ極めて低かったという。
米国取引所がXRP取引の一時停止に動いた影響で、米ドルペアによる出来高は低下しているが、バイナンスやHuobi、OKExなどのグローバル取引所は依然として取り扱っている。これらの取引所は米ドルを取り扱っていないため、USDTは法定通貨代わりに利用されている。
SECの影響はアジアに及ばず
米国の取引所だけでなく、グレースケールやBitwiseなどの米国投資企業もXRPを特定のファンドから除外しているが、XRP取引への影響はアジアに及んでいない模様だ。多くの日本取引所でも、XRPの板取引が継続している。
中国上海にあるブロックチェーンコンサル企業Block72のパートナーSinhae Lee氏はCoindeskの取材に対して、「コインベースなど、米国で規制されている取引所と異なって、韓国などアジアの投資家やトレーダーはSECのアクションを気にしていない。むしろ、現在のアルトコイン強気相場では、安値となったXRPは魅力的になった」と話した。
また、Swissquote Bankのデジタル資産責任者Chris Thomas氏は「トレーダーは取引するときに、バリューの相関性を重要視する。数日前までは、XRPは他の銘柄と比べ比較的に安かった」とコメントした。