ビットコインで約1,200億円の利益
英国の大手資産運用会社Rufferが、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を売却し、11億ドル(約1,200億円)を超える利益を上げていたことが分かった。地元メディアThe Timesが報道した。
Rufferの投資担当者によれば、同社は2020年11月にポートフォリオの一部として6億ドル(約660億円)をビットコインに投資。その後、20年12月と21年1月初旬には購入したビットコインの一部を売却し、7億5,000万ドル(約822億円)の利益をあげたが、残りのポジションは今年4月まで保有していたという。
ビットコインから一時撤退した理由
今回ビットコイン市場から撤退したのは、ロックダウン(都市封鎖)の緩和を考慮に入れてのことだという。Rufferは、若い世代の取引活動をビットコインの強気相場のきっかけと捉えており、新型コロナウイルス・パンデミックによるロックダウンが緩和されれば、この世代が家の外で活動するようになり、自宅での仮想通貨取引から離れる可能性を考慮した。
Rufferはビットコイン投資で得た利益を、政府発行債券であるインフレ連動国債などの、ディフェンシブな資産に投資し直したが、これからも動きの異なる多様な資産を運用するマルチアセット戦略の一環として、ビットコインに投資する可能性は排除しないした。
前回ビットコインの一部を売却した際、Rufferの別の投資ディレクターDuncan MacInnes氏は、同社が2017年にはビットコインについて「非常に懐疑的」だったと語った。その後2020年に金融緩和やマイナス金利の影響で、ビットコインが代替投資先として浮上した際に、その考えを変えたという。
ビットコインの電力問題についてもコメント
ビットコインの電力消費問題について、Baillie氏は批判の多くが「誇張された情報や誤報」に起因していると意見した。
Baillie氏は、ビットコインよりも「ゲーム業界の方が多くの電力を消費して」おり、ビットコインの電力消費の「40%から70%が再生可能エネルギー源によるものだろう」と話している。
ゲーム業界とビットコインの比較については、ビットコインマイニングプールBraiins&Slushのスタッフが2019年時点で、世界全体のゲーム産業の年間電力消費量はビットコインよりも多いと考察したレポートを発表している。しかし、この結果はおおまかな見積もりによるものであり、著者も「推定値であり、誤差が大きい可能性がある」と注記していた。正確な実態について示すものではない。
また再生可能エネルギーの割合についても、まだ一般的な統一見解は示されていないのが現状である。
2020年に、ケンブリッジ大学オルタナティヴ金融センターが発行したレポートは、仮想通貨マイニングの約39%が再生可能エネルギーによると推定。一方、仮想通貨資産運用会社CoinSharesは2018年、77.6%が再生可能エネルギーによると推算している。
ただ仮想通貨業界がエネルギー問題を改善しようと取り組み始めているのは確かだ。例えば今年4月には、ブロックチェーンと仮想通貨のエネルギー問題に取り組む国際的業界連合「Crypto Climate Accord(クリプト気候協定)」が結成された。
イーサリアム(ETH)の開発企業ConsenSysやリップル社はじめ、40近い組織が加入しており、2025年までにすべてのブロックチェーンを100%再生可能エネルギーで動かすという野心的な目標を掲げている。
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