
日本発のブロックチェーンプラットフォームであるAstar Networkは5月22日、ブロックチェーンゲームおよびデジタル資産管理の分野で世界的地位を築くAnimoca Brandsから戦略的出資を受け、包括的なパートナーシップを締結したと発表した。
この提携を通じて、日本およびアジア発の知的財産(IP)のオンチェーン化を加速し、次世代のデジタルエンターテインメント体験の創出を目指すとしている。
提携の詳細
今回の戦略的パートナーシップには、Animoca BrandsによるAstar Networkへの出資が含まれている。両社は、日本・アジア地域のエンターテインメントIPをブロックチェーン上で展開することに重点を置き、コンシューマー向けの新しいデジタル体験を提供することを計画している。
具体的な取り組みとして、Moca Networkが支援する「Anime ID」プロジェクトが挙げられる。Anime IDは、オンチェーン上でのアイデンティティとレピュテーションのレイヤーとして機能し、従来のweb2ユーザーがweb3環境へスムーズに移行できる仕組みを提供する予定である。
また、「Anime Art Fest」と呼ばれるクリエイター参加型のイベントも計画されており、IPホルダーの権利強化とブロックチェーンを活用したエンターテインメント体験の普及を目指している。
今後の展開
今回の提携について、Astar Networkは「日本・アジアのエンタメIPを本格的にオンチェーン展開していくための新たなフェーズが始まる」との見解を示している。
Astar Networkは、@animocabrands からの出資を受け、戦略的パートナーシップを締結しました。
— Astar Network Japan 🇯🇵 (@AstarNetwork_JP) May 21, 2025
日本・アジアのエンタメIPを本格的にオンチェーン展開していくための新たなフェーズが始まります。
この連携により、Astarエコシステム全体で、次世代のデジタル体験が創出されていきます。🧵 pic.twitter.com/AQvyx5AOeo
世界的なIPネットワークを有するAnimoca Brandsと、日本・アジア地域で強固な地位を築くAstar Networkの組み合わせにより、web3におけるコンシューマー・ゲーム体験の可能性が拡大すると両社は判断している。
注目すべき点として、この提携にはソニーグループの「Soneium(ソニューム)」との連携も含まれている。Anime IDがSoneium上でアイデンティティおよびレピュテーション(評判)レイヤーとして機能することが計画されており、Soneiumはすでにアニメ「七つの大罪」の公式NFTコレクション発売など、エンターテインメント分野での実用化が進んでいる。
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Astar Networkは、今回の発表について「まだ始まりにすぎない」とし、今後さらに多くの連携とビジネス機会が生まれることを示唆している。市場への影響としては、ブロックチェーン技術を活用したクリエイターとファンの直接的な関係構築、新しい収益源の創出、そしてIPの国際展開における障壁の低減が期待される。
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