仮想通貨の税制
タイの税務当局は暗号資産(仮想通貨)から生じる利益に15%の税率を課す計画を中止した。『Financial Times』が報じた。
仮想通貨業界などから「過度な課税は業界の発展を抑制してしまう可能性がある」と批判の声が上がったという。仮想通貨の取引やマイニングの利益は、通常の資産売却益とみなされ、税金は所得税に分類。損益通算も認められ、損失と相殺ができる。
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現地メディア『Bangkok Post』らは今月初め、タイは仮想通貨取引の利益に15%課税することになると報道。タイの歳入局は、2021年に仮想通貨の価格が上昇して以降、仮想通貨に対する監視を強めているという。
監視を強める一方で、歳入局はリサーチを行なったり、業界関係者に意見を求めたりしており、それが税率への見直しに繋がった模様だ。今回の判断は、投資家と業界にとって好意的だとの声が上がった。
タイの規制動向
中国や米国を初め、特に昨年から仮想通貨の規制整備は世界で進められてきている。タイでは、投資手段ではなく、決済手段としての利用に対する規制も検討している模様だ。
同国の金融規制当局が25日に共同声明を発表し、仮想通貨を商品やサービスの決済手段として利用することについて、規制する必要があると説明。声明を発表したのは、タイの中央銀行(BOT)、証券取引委員会(SEC)、財務省(MOF)の3機関である。
仮想通貨を決済に利用できるようにするサービスが増加していることを背景に、決済手段として普及が進み、金融安定性や経済システムに影響を及ぼす可能性があると指摘。
デジタル資産の利用は、価格変動、サイバー空間での窃盗、個人情報流出、マネーロンダリングなど、消費者や企業にもリスクをもたらしかねないとした。