マクロ経済と金融市場
22日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比4.8ドル(0.01%)安、ナスダック指数は128ポイント(0.95%)高で取引を終えた。
東京株式市場では、日経平均株価が前日比542円(1.63%)安と大幅下落した。
バブル崩壊後の高値を32年ぶりに更新するなど順調に上値を伸ばし、東証発表の「投資部門別株式売買状況」では、海外勢が12週連続の買い越しで相場を牽引。買越額6兆円規模に達するなど2012年の“アベノミクス”以来の水準を記録したが、移動平均乖離率(25日)+5%を超えるなど過熱感が強まっていた。
本日前場では、グロース市場や新興中心のマザーズ指数が大幅続落したほか、高騰していた半導体銘柄や商社株も利益確定売りが先行した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.89%安の1BTC=29,983ドルに。時価総額上位のアルトコインでは、イーサリアム(ETH)が前日比2.07%安、XRPが3.72%安となった。
仮想通貨先物市場では、過去3ヶ月間で最大となる1.8億ドル(200億円)規模のショートポジションのロスカット(強制清算)が発生し、ショートカバーが相場を押し上げた。
4月上旬に記録した年初来高値の31,000ドルは、2021年の前仮想通貨バブルの節目としても意識される主要なレジスタンスライン(上値抵抗線)であり、踏み上げの燃料も概ね消化していることから一旦揉み合う可能性がある。
とはいえ、下降チャネルのブレイクなどから短期目線ではトレンド転換したとの見方が強まりつつある。ブラックロックが申請したビットコインETF(上場投資信託)の材料の大きさから、値幅調整するようであれば押し目を買われそうな局面か。
米国ネバダ州金融機関局が、暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Prime Trustに対し、財政悪化懸念を理由に事業の一部停止命令を下したことで、決済インフラ企業Stablyなど複数の企業に影響を及ぼした。
資産保全の懸念は、米ドルに1:1で価値を裏付けられたステーブルコインTrue USD(TUSD)にまで波及し、一時ディペグ(価格乖離)が発生。発行企業であるTrueUSDは、「Prime Trustへのエクスポージャーはない」との声明を出すなど懸念払拭に追われた。
世界最大手の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスは、米SEC(証券取引委員会)などの規制当局によるバイナンスUSD(BUSD)および発行企業パクソスへの執行措置を受け、新規発行停止を余儀なくされたBUSDの代替先としてTUSDの通貨ペアを増やしていた矢先にあり、投資家の不安が拡大した。
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ビットコインETF関連
この先も材料は、やはり最大手資産運用会社ブラックロックによるビットコインETF(上場投資信託)申請の進展次第となりそうだ。
ブラックロックの申請が判明すると、米SEC(証券取引委員会)によるバイナンスやコインベースの提訴、アルトコインの証券指定で萎縮していた仮想通貨投資家のセンチメントに一石を投じた格好となり、ビットコイン価格は反転攻勢へと転じた。
ブラックロックは2022年末時点で8兆5,900億米ドルを運用する世界最大の資産運用会社だ。過去のETF承認実績は群を抜いていることもあり、業界初の現物ビットコインETFの承認にも期待がかかる。
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その後、大手金融機関のウィズダムツリーやインベスコ・アセット・マネジメントがビットコインETFの申請を提出。さらに、4兆2,000億を運用するフィデリティ・インベストメンツも、ビットコインETFの申請を準備しているとの観測もある。
フィデリティは、破綻した融資部門の子会社ジェネシス・キャピタルなどの影響で債務不安を抱えるデジタル・カレンシーグループ(DGC)の競争入札にも関心を示しているとされ、買収が実現した場合は、DGCの破綻懸念のみならず、小会社であるグレースケールの投資信託「GBTC」をめぐる債務整理(強制売却)の市場不安も払拭されることになる。
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機関投資家向けの参入障壁も撤廃されつつある。
21日には、シタデル・セキュリティーズ、フィデリティ・インベストメンツ、チャールズ・シュワブといった米ウォール街の大企業やセコイア・キャピタルなどの大手VCから出資を受けたノンカストディアル型仮想通貨取引所「EDX Markets」 のローンチが発表された。
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