取引手数料の低迷続く
The Blockは15日、ビットコイン(BTC)ネットワークの活動が2024年末に12ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいると報じた。
7日移動平均のアクティブアドレス数は66万件まで減少した。2023年から2024年にかけてオーディナルズ・ルーンズの投機活動が活発化し、2024年11月には約110万件のピークに達したが、その後大幅に減少している。
オーディナルズ(Ordinals)はビットコインに画像などのデータを記録する技術で、ルーンズ(Runes)はビットコイン上でトークンを発行する仕組み。両技術は2023年から2024年にかけて投機的な人気を集め、ビットコインの取引量を大幅に増加させた。
ネットワーク活動の低下はマイナーの収益にも圧力をかけており、1日あたりのマイナー収益は第3四半期の平均5,000万ドル(約77億円)から年末には約4,000万ドル(約62億円)まで減少している。
この収益のほぼ全額がブロック報酬で構成されており、取引手数料の割合は極めて低く、ビットコインのブロックスペースに対する需要の弱さを浮き彫りにしている。
ブロック報酬は半減期ごとに減少していくため、持続可能なマイナー収益は今後ますます取引手数料に依存することになる。
しかし現状のような低手数料が続けば、収益性の低下によりマイナーが撤退し、ネットワークの算力低下を招く恐れがある。算力が不足すれば、ネットワークが攻撃を受けやすくなり、長期的なセキュリティ維持が課題となる可能性がある。
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ETFシフトで取引主体が大幅減少
専門家らは、アクティブアドレス減少の主な要因としてETFの影響を指摘している。
オンチェーン分析企業Glassnodeは12月4日、ビットコインの実質的な取引主体数が2024年1月のETF承認以降、約24万から17万へと構造的に減少していると報告した。
Glassnodeによると、かつてオンチェーン送金や取引所入金を通じて行われていた取引が、現在はブローカー経由のETF注文にシフトしており、この減少は採用の弱まりではなく、取引場所の変化を反映しているという。
加えて、市場の疲弊感や年末の季節的要因、オーディナルズ・ルーンズの沈静化も活動低下に寄与している。
多くの個人投資家は、秘密鍵管理やウォレットセキュリティの煩雑さを避け、証券口座で手軽に購入できるETFを選択しており、ビットコインの自己管理という本来の理念よりも利便性を優先する傾向が鮮明になっている。
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