Z世代がデジタル決済牽引か
決済大手Visa(ビザ)は今月、消費者が暗号資産(仮想通貨)やAI(人工知能)といったテクノロジーをホリデーシーズンのショッピングなどに取り入れるようになってきたとのレポートを発表した。
同社は、今年の10月14日から10月16日にかけて、Morning Consult社に委託し、米国成人1,000名を対象に調査を実施。インタビューはオンラインで行われ、データは性別、学歴、年齢、人種に基づいて調整された。
調査対象となった者のほぼ半数(47%)が、少なくとも1回の買い物でAIツールを使用した経験があった。「ギフトに何を贈るかのアイデア探し」がAI活用の最大の用途として挙げられている。また、価格比較にも活用されていた。
ビザは、買い物客が閲覧だけでなく意思決定にもAIツールを活用する、エージェント型AI時代の到来を示唆していると述べる。
一方で、61%が顧客サービスでAIよりも人間による対応を好むと回答。60%がAI搭載ショッピングツールが個人データをどのように利用するのかをより深く理解したいと回答していた。透明性と信頼がAI普及の鍵となることが示唆される格好だ。
さらに、約10人に1人は、2030年までにステーブルコインがメインストリームで大きく普及すると考えており、28%は2035年までにステーブルコインの利用が増加すると予想していた。
米国の送金サービス利用者の41%が、将来的に国際送金にステーブルコインを使用する可能性が高いとも回答している。
関連:ステーブルコインとは?仕組みやリスク・将来性を徹底解説
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
また、4人に1人以上(28%)が、贈り物として仮想通貨をもらったら嬉しいと回答。この数字はZ世代では45%まで上昇している。なお、Z世代とは一般的に1990年代後半〜2010年代前半に生まれた世代を指す。
Z世代は決済・ショッピング方法に関して、生体認証(71%)、海外からのギフト購入(世界全体で60%)、ソーシャルプラットフォームにおける購入(55%)、仮想通貨による購入(44%)の割合が他の世代よりも高くなっていた。
また、米国のZ世代は、デジタルウォレット(36%)を好むと回答した割合と、物理的なカード(34%)を好むとした回答がほぼ同等である。ビザは、このことが今後の決済、イノベーション、消費者の期待に根本的な変化を与える可能性を指摘した。
決済手段の選択ではセキュリティも重要
ビザとMorning Consultは、同期間に米国の他、カナダ、メキシコ、ブラジル、フランス、ドイツ、スペイン、英国、オーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポール、南アフリカでも、成人1,000人を対象に調査を実施している。
ステーブルコインに関する意識では国ごとに差異があり、将来的にステーブルコインを送金に利用する意欲が高かったのはブラジル(65%)、メキシコ(62%)、南アフリカ(57%)、UAE(66%)の送金利用者だった。一方、ドイツは慎重な姿勢(23%)を示していた。
また、セキュリティの問題が決済方法の選択に影響を与える最大の要因だった。回答者の79%がセキュリティが「非常に重要」と回答。消費者はスムーズな決済を望む一方で、詐欺の手口が巧妙化していることを懸念している。
66%が友人や家族がオンライン詐欺に遭うのではないかと心配しており、82%が二要素認証、頻繁なパスワード変更などの対策を講じていた。
ビザは仮想通貨事業にも力を入れているところだ。10月にはステーブルコイン連動ビザカードの支出が前年比で4倍に増加したと報告している。
関連:ビザ、複数ブロックチェーンで決済網強化 4種類のステーブルコイン対応へ



はじめての仮想通貨
TOP
新着一覧
チャート
学習
WebX


















































