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ツイッター社CEOアカウントに不正侵入事案、約20分間乗っ取られる|専門エンジニアが解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ツイッター社CEOアカウントに不正侵入事案
ツイッター社CEOのJack Dorsey氏のツイッターアカウントが一時的に乗っ取られた事案について、専門エンジニアが侵入手法や仮想通貨取引を含むネットサービスの注意点などを解説。

ツイッター社CEOアカウントに不正侵入事案

ツイッター社およびモバイル決済企業SquareのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のツイッターアカウント(@jack)が日本時間8/31、ハッキングによる乗っ取られるという被害に遭った。

およそ20分間にわたり、ハッカーグループのタグ#ChucklingSquadをつぶやいた他、排他的な政治思想といった内容をリツイートするなどの被害が確認された。

なお、この前後で著名なポッドキャスト配信者@zaneやBigJigglyPandaを手掛けるユーチューバーAnthony Brown氏などもハッキング被害を受けていたという。

ハッキングの手口

同じようなアカウントの乗っ取り被害は、過去2週間にわたって発生しており、ユーチューバーやポッドキャスト配信者といったインフルエンサーをターゲットにしているようだ。

ハッキング被害を受けたうちの1人で、著名なユーチューバーである”Keemstar”ことDaniel Keem氏は、通信キャリアAT&TのSIMスワップで被害を受けたと主張している。

SIMスワップ(SIMスワッピング、SIMハイジャック、英語ではSIMカードスイッチとも)攻撃自体は難しいものではない。

モバイル通信を提供するキャリアで権限を持つ従業員を買収したり、あるいは騙し、攻撃対象のSIMカードを紛失したと装って再発行の手続きを行い、別のSIMカードに電話番号を移す。

これにより、電話番号宛にテキストで送られてくる二段階認証のコードを奪うことが可能となる。あとは、「パスワードを忘れたのでパスワードリセット」をするなどで、アカウントを乗っ取れてしまうというわけだ。

今回の問題についてはツイッター社も公式に見解を出しており、SIMスワッピングと断言はしていないが、モバイル通信の提供元の問題であり、特定の電話番号宛のテキストメッセージを窃取されたためであるとしている。

SIMスワップで狙われるアカウント

仮想通貨を取引するためには、取引所アカウントが必要になるが、これを狙ったSIMスワップ攻撃はこれまで多数報告されている。今年に入って、いくつもの犯罪行為が明るみに出ているため、見ていこう。

まず2月、著名なセキュリティ研究家のブログ記事Krebs on Securityでは、関連する記事を公開し、米大手キャリアVerzion社の電話番号を乗っ取った事例について取り上げた。

SIMスワップに関して、非常に詳細にまとめられている記事なので、興味がある方は読んでみることをお勧めする。

5月には、The Communityとして知られるハッカーグループが解体され、240万ドル以上を盗んだとして9人が起訴された。

このうち3人は幇助犯で起訴されているが、2人はAT&Tの契約社員、もう1人はVerizonの従業員だったという。

また、7月には米国人の投資家であるMichael Terpin氏が同様の被害を受けたとしてAT&Tを訴え、苦情を認められている。

ユーザー目線での対策

幸い、現時点で日本のモバイル事業者が同様の攻撃を受けたという事例は聞かない。

本人になりすまして従業員を騙す手口は簡単ではないが、仮に従業員を買収するなど内部での犯行が発生した場合、ユーザーが回避することは難しい。

SMS認証に頼ることなく、Google AuthenticatorやYubikeyなど、実際のモバイル端末が必ず必要になるような認証方法を選ぶべきだろう。

Jack Dorsey氏の事件を受け、バイナンスCEOのCZ氏はセキュリティを確保するために、ユーザーたちに「2段階認証」の実装を呼びかけている。

またウェブサービスを使うときにも、大きな金額を預ける場合となると、パスワードリセットでどのような情報を求められるか、調べてみても良いかもしれない。取引所に資金を置き続けないなど、ユーザー側でとれる対策は忘れずに実施するのが賢明だろう。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAOでは被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

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