- CoinGecko、デリバティブ情報の提供開始
- 仮想通貨ベンチマーク企業CoinGeckoが、29日仮想通貨業界初となるデリバティブ商品及び取引所の情報提供を開始した。このサービスの提供によりデリバティブトレーダーの利便性が高まる事が予想される。
取引所ランキングなどで容易に商品、取引所間比較が可能
仮想通貨や取引所のランキング情報提供で知られるCoinGeckoは、29日、新たにデリバティブ取引所に上場するコイン、デリバティブ取引所の関連情報の提供を開始したとブログで発表した。
同ブログによると、仮想通貨データ提供者として利用者の活用価値を高める上で「永久スワップ」や「先物」といったデリバティブ商品の主要データを提供することは自然の流れであると説明。
仮想通貨業界でデリバティブ商品に関連する最大のデータベースを提供する事を目指す。
世界最大手取引所のバイナンスがデリバティブ取引を開始するなど、デリバティブ仮想通貨取引が拡大する中、商品や取引所の各種データの一覧表示ができるサービスの登場でトレーダーの利便性が高まると思われる。
デリバティブ商品は6カテゴリに分類
ビットコイン(BTC),イーサリアム(ETH),その他の仮想通貨を各デリバティブ商品(永久スワップ、先物)別の計6カテゴリに分類して一覧表示されている。
各欄の横軸には主要データである、上場取引所、価格、1日の変動率、取引所が設定した価格指数(Index)、先物価格からIndex価格を差し引いた額(Basis), スプレッド値、建玉額、1日の取引高が示されている。
例として、記事執筆時点での取引所別BTCデリバティブ(永久)の一覧は以下の通りとなる。
また画期的なのは、各デリバティブ商品の建玉のドミナンスと取引高を取引所毎に表示している点だ。
現物の取引所と基本的には同じだが、永久スワップ、先物の商品数、建玉数の週間推移が表示されている点が目新しい。
他に、デリバティブ取引所別で情報を閲覧することも可能になっている。
取引所のデータについて
仮想通貨取引所に限らず、金融商品の取引では取引高がその取引所の人気度や信頼度を推し量る指標の一つとなるが、仮想通貨取引所ではその出来高の水増し疑惑がたびたび指摘されてきた。
それらは『Fake Volume』と呼ばれ、業界全体の信頼性を損なうものとして以前から問題となっている。
そのことから、各仮想通貨データサイトは実際の取引量を推定したり、取引所自体の信用度を測るなど、様々な取り組みを行ってきた。
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仮想通貨デリバティブは仮想通貨業界の中でも近年急激に拡大している分野の一つであり、今後も仮想通貨取引の全体の中でさらにシェアを拡大していくと見られている。
そのため、今回CoinGeckoが提供を開始したようなデリバティブに関するデータは、今後ますますその重要度、需要ともに高まっていくことが予想され、CoinGeckoは同様のデータプラットフォームを提供する競合サイトに比べ、その網羅性で一歩抜きん出たといえる。
なお、記事執筆現在、CoinGeckoのホームページはハロウィーン仕様となっている。
またCoinGeckoは、ブログにてボーナスとして初心者向けにハロウィンのデザインを入れたデリバティブ取引の解説を盛り込んでいる。
参考 CoinGeckoブログ