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カリブラ副社長が決意新たに「リブラ普及に時間は掛かるが、努力を続ける価値がある」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フェイスブック社の決意

米フェイスブック社が主導する仮想通貨リブラは、ドイツをはじめとする欧州5カ国から発行を阻止しようとする動きが湧き上がるなど、逆風の嵐に晒されているようだが、フェイスブック社がこのプロジェクト遂行にかける決意は固いようだ。

11月5日、フェイスブック社の子会社で仮想通貨リブラのウォレットを開発するカリブラの副社長Kevin Weil氏は、ポルトガルのリスボンで行われたテクノロジーカンフェレンス「Web Summit」に登壇し、リブラがもたらす可能性とこれからの展望を楽観的な口調で語った。

Weil氏は、今日の金融サービスをインターネット前の通信と比較し、「私たちを動機付けているのは、インターネットが情報のために成し遂げたことをお金のためにできるかどうかだ」と述べた。

その中で、平均手数料が送金額の7%と高額な現在の国際送金や、インターネット普及前の国際電話料金、またプロバイダーが異なる海外へのテキスト送信がいかに高額だったかを例に出した。「貧乏であることは高くつく。そこで、インフラが分散化されたシステムにお金を移動して、世界中に価値を送信できるようになったらどうなるだろうかと考えたのだ」と語っている。

インターネットの普及により、今日では世界中に動画配信ができ、ほぼ無料に近い通話が可能となったように、リブラネットワークの構築を通して送金の分野でも同様のことを実現しようとしていると説明した。

ウォレットアプリのカリブラは、すでに多くの人々がWhatsAppやMessengerのようなソーシャルメディアアプリでチャットしているように、同じアプリで家族や友人に、手軽にわずかな手数料で送金できるようなユースケースを中心に展開する予定だという。

同時に、Weil氏はリブラがオープンネットワークであり、フェイスブック社に対する不信感が拭えないユーザーや企業は、それぞれが別のウォレットを選んだり、リブラのインフラ上にアプリを構築したりすることも全く問題なくできると強調した。そして、「リブラはEメールのように機能する」と述べ、メールを送信するのに、どのメールサービスを使うか思案する必要がないように、リブラネットワークでは、どのデジタルウォレットを使うかといった心配は無用になると主張した。

さらに、Weil氏はリブラの利用で収集される金融データは、フェイスブックのデータとは全く別に扱われ、データが両者間で共有されることがないと念を押し、ユーザーの不安を払拭するように務めた。

仮想通貨リブラ普及への長い道のり

リブラプロジェクトの有益性については楽観的に語ったWeil氏だが、仮想通貨リブラが普及するのにかかる時間については、大変慎重に考えているようだ。「リブラはソーシャルネットワークのように広がるものではない。数年ではなく数十年の仕事になるだろう。しかし、作る価値はある」と話している。

時間を要する理由として、Weil氏は規制当局との慎重な議論や話し合いが不可欠であることを挙げている。フェイスブック社CEOマーク・ザッカーバーグ氏が、米下院の公聴会で証言したように、規制当局からの許可なしには、リブラをローンチすることはなく、それはカリブラも同様だと同氏は明言した。

2020年にローンチを目指していた仮想通貨リブラだが、加盟企業100社を目指すリブラ協会は、当初参加が予定されていたクレジットカードや決済大手のビザ、マスターカード、そしてペイパルをはじめとする7社が脱退し、21社で先月正式に始動した。しかし、Weil氏は18ヶ月前にはアイディアにすぎなかったプロジェクトが、21社もの献身的なメンバーを得てリブラ協会として発足したことを肯定的に捉えているようで、これからメンバーの数が継続的に増えるだろうと希望を持っている。

また、Weil氏は、Web Summitトークの中で、自分自身だけではなく、ザッカーバーグ氏のリブラにコミットする姿勢が揺らいでいないことに言及している。「マークはやるとなったら、やり通す」と語った。

しかし、Weil氏が予想しているように、リブラの前途は決して平坦なものではないだろう。直近ではニューヨークタイムズ紙 で、著名な法律の権威二人が、リブラは「影の銀行システムの代表となる」と警鐘を鳴らしている。

コーネル大学のOmarova博士とスタンフォード大学ビジネススクールのSteele教授は「リブラ協会とその関連組織は個人経営の中央銀行として機能し、マーク・ザッカーバーグは仮想通貨時代のアラン・グリーンスパンとして機能する」と、リブラへの強い懸念を表現している。

米議会の公聴会での風当たりの強さが象徴しているように、アメリカ社会がフェイスブック社に対して抱く不信感は容易には払拭できないかもしれない。

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