バッチ処理導入で、手数料削減に期待
大手仮想通貨取引所コインベースが、ビットコインのバッチ処理を導入したことが分かった。この機能によって、ユーザーは取引手数料を節約することができる。ただ、導入の遅れについて、一部のユーザーからは不満の声も挙がっている。
一般的にバッチ処理とは、ある程度のデータ量を溜めてから一括して処理する方式である。
ビットコイン取引におけるバッチ処理は、複数のトランザクションを1つのブロックにパッケージ化することで機能する。
単一のトランザクションがブロックをすべて占有するのではなく、複数トランザクションを1つのブロックにまとめて一括処理する方式である。このことで、トランザクションが処理される際の占有スペースが減る。
コインベースによると、ビットコインネットワークの負荷が50%以上削減され、送信時にユーザーが支払うネットワーク料金も、自動的に同等の割合で削減される見込みだという。
ビットコイン取引では送金などを行う時、処理手数料を支払う必要がある。手数料を多く払えば自分の取引の処理が優先されるため、取引が活発な時期は手数料が高騰した。
コインベースによると、ビットコインの価格高騰時には、1回の取引手数料の平均が30ドル(約3147円)を超えていたこともあり、特に小さな取引を行う際の障壁になっていた。現在は、1取引につき平均約$ 0.30(約31円)であるという。
バッチ処理の導入に際して、ユーザーは特に手続きする必要はない。ネットワークでは、トランザクションにわずかな遅延が発生するものの、ユーザーが通常のレートでトランザクションを行う際の承認時間には影響しない。
導入が遅かったという批判の声も
競合取引所であるKrakenや、ウォレットプロバイダーのSamouraiなどは、数年前からバッチ処理機能の提供を開始していた。
コインべースにおいても、CEOのBrian Armstrong氏が、ユーザーの声に答えて、2018年時点から、まもなくバッチ処理がサービスに導入されると述べていた。そのため、2020年になってからの導入は遅かったと一部ユーザーからは批判の声も上がっている。
またトランザクション手数料は安くなるものの、バッチ処理によって同じブロックで支払われた他の全員のアドレスが閲覧できた場合、プライバシー性が損なわれる可能性が指摘されている。