仮想通貨投資の現状
仮想通貨(暗号資産)の価格が投資家が望むような上昇を見せない中、高速トレーダーやマーケットメイカーは大きなボラティリティ(価格変動)を利用して利益を生んでいる。
仮想通貨トレーディング企業B2C2の共同創業者Max Boonen氏は、仮想通貨メディアTheBlockとのインタビューで、「マーケットメイカーはビットコイン(BTC)のボラティリティをうまく活用している。高速取引を行う企業とマーケットメイカーは、買い注文と売り注文のスプレッドで利益を出している」と語った。
現在も新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響によって、全ての金融市場でボラティリティが大きくなっている。米大手デリバティブ取引所であるシカゴオプション取引所(Cboe)のボラティリティ指数(VX)は、過去1カ月で69%上昇した。
Boonen氏は「現在のボラティリティは投資に最適だと思う」と説明。特にマーケットメイカーの企業は多くの利益を生んでいるはずだとの見解を示した。
一方、BTC価格の過去10日間のデータを基にボラティリティを数値化したRealized Volatility(実現ボラティリティ)は、3月中旬には300%を超えていたが、23日には125%まで急落。BTCの価格が暴落した3月13日ごろに比べると50%超減少している。10日間のデータを基にしたボラティリティの数値が高いことは、その期間の価格変動も大きいことを示している。各期間ごとのデータを比較したのが以下のグラフだ。
Boonen氏は、BTC価格が暴落した3月13日を記録的な日だったと振り返る。「BTCの価格が4000ドル(約43万円)付近まで下落した時は、市場は自分たちの考えを見直した」と述べている。
しかし、ボラティリティで利益を出せる投資家がいても、現在の仮想通貨市場は流動性も乏しく、誰にとっても良い相場だとは言えない。BTC先物の取組高(OI)も減少している。流動性が乏しくなれば、トレーダーはポジションを建てることも解消することも難しくなる。
仮想通貨分析企業skewの担当者は「3月の価格の暴落は投資家やマーケットメイカーに重大な影響を与えた。その時から先物のポジションの数も戻っていない」と語った。
skweが提供するBTC先物のOIの推移は以下のようになっている。
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