不動産トークン:取引高は2か月で2倍以上に増加
暗号資産の一種である不動産セキュリティトークン市場は着実な成長を遂げている。不動産のトークン化プラットフォームであるRealTでは、先月3軒の物件が新たに売りに出されたが、それを含めた掲載物件は1件を除き全てソールドアウトしている。
企業不動産(CRE)を中心に取り扱うRed Swanは、先月におよそ2300億円の商業用不動産のデジタル証券を、セキュリティトークンプラットフォームのPolymathと提携し取り扱うことを発表した。
RealTが新たに掲載した3つ物件は米国ミシガン州、デトロイトにある物件で、一つの物件を1000~4000トークン程度に分割しトークンの価格を200ドル以下にすることで、物件をそのまま購入するより遥かに投資のハードルが抑えられていることが魅力となっている。
RealTのセキュリティトークンはUniswapで取引がされており、3月の記録では、発行済みの不動産6件でセキュリティトークン市場の時価総額の約2%、総取引高の7%ほどを占めるという結果になった。
また、物件数の増加に伴い、1月に2万ドルほどだった取引高は2月に24393ドル、3月には47584ドルと、2か月で2倍以上に増えている。
日本でもセキュリティトークン市場に期待
日本ではSBI証券が2019年10月に設立した日本STO協会や、日本セキュリティトークン協会(JSTA)などがセキュリティトークンの推進団体として存在している。
このうちJSTAは昨年12月にデロイトトーマツ、セキュリティトークン発行プラットフォームを提供するSecuritizeらと、日本の不動産市場におけるセキュリティトークンの有用性を分析したレポートを発表、セキュリティトークンの中でも不動産への活用は特に注目度の高い分野であることは明らかだ。
また、米Securitizeは日本のブロックチェーン関連企業BUIDLを買収、BUIDLはSecuritize Japanに社名変更を行った。日本への進出を本格化するSecuritizeは先月、LIFULLと不動産セキュリティトークン発行システムの実証実験を実施している。