はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

EU議会シンクタンク、時代遅れの仮想通貨関連規制を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

EUの仮想通貨規制は「時代遅れ」

欧州議会に所属するシンクタンクが、仮想通貨(暗号資産)の定義と、規制対象についてその範囲を拡大する必要があるとEU規制当局に勧告した。また、投資家は仮想通貨のリスクについてより明確な説明を受けるべきであるとも報告書で主張している。

EUはすでに第5次マネーロンダリング防止指令(AMLD5)を実施。仮想通貨取引所とカストディサービス事業を、顧客身元確認(KYC)とマネーロンダリング防止(AML)ルールへ準拠させるため、厳しい規制枠組みを提示している。

だが、今回シンクタンクの欧州議会調査局が発表した調査報告書によると、金融活動作業部会(FATF)などのより高い国際基準と比較した場合、AMLD5の内容はすでに時代遅れのものになっているという。

現在、仮想通貨が置かれている状況に対応するため、EUはいくつか新たな規制措置を検討する必要があると、報告書は提言する。

規制範囲の拡大について

最初の勧告は、AML/CFT(マネーロンダリング防止とテロ資金供与対策)について規制範囲を拡大することだ。

まず、取引所プラットフォームを介したトークンの発行事例(IEO)が大幅に増加していることから、仮想通貨のサブカテゴリとして、『私募トークン(IEOトークン等)』を含めることを提案した。

また、一部の仮想通貨関連の企業(仮想通貨取引所、仮想通貨オファリングに参加する金融機関、中央集権型プラットフォームなど)は、現在の枠組みではカバーされていないため、AMLの対象に追加する必要があるという。

さらには、マイナーや、カストディアンでない仮想通貨ウォレット企業についても、この数年でその形態が多様化していることから、盲点になりうるとして注意を促している。

新たな小口マイニングを警戒

仮想通貨のマイニング事業も、さらに注視する必要があるとしている。

背景は、近年、大規模なマイニングファームを用意せずとも、自宅で個人が所有するレベルのハードウェアを使用して採掘することができる銘柄が登場したことだ。

新しく採掘されたトークンは定義上「クリーン」で犯罪に使用された履歴がない。それを法定通貨や他の仮想通貨と交換して得ることができる資金もクリーンなものになる。このため犯罪者の資金洗浄に使われる可能性がある 。こうしたマイニング手法を調査し、規制上の重要な盲点が発見された場合、適切な対策を検討すべきだと説明した。

投資家へリスク開示が必要

仮想通貨の高いボラティリティに関してもシンクタンクは注意を促した。

現時点では、EU金融法は、金融機関が仮想資産を保有したり、それに関連するサービスを提供することを禁止していない。

しかし、金融機関が仮想通貨を取得し、バランスシートに記録したり、仮想通貨に関連する活動に従事する場合、ボラティリティにより莫大な損失に直面する可能性がある。そのため、現時点では仮想通貨資産を金融機関の自己資産から差し引いておくことを推奨するという。

さらに、仮想通貨はリスクの高い資産として、投資家や消費者に、仮想通貨に投資する前に潜在的なリスクを把握させる必要があるとも論じた。

参考:European Parliament

CoinPostの注目記事

「ブロックチェーン技術が公益に寄与する可能性」 EUが新技術に関する文書を公表
ヨーロッパ連合(EU)は4月2日に新技術に関するレポートを公表し、ブロックチェーン技術が公共の便宜をより効率化する可能性があると論じた。
フランス規制当局、セキュリティトークン規制でEU規模のサンドボックス制度設立を提案
ブロックチェーンと規制は、鶏が先か卵が先かという矛盾を孕んでいる。フランス規制当局はセキュリティトークン規制に関する分析レポートを公し、ヨーロッパ規模での規制サンドボックス制度の設立を提案した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧