はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

スイス:110億円規模のブロックチェーン企業支援策を却下、「クリプトバレー」は逆境を生き残れるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スイスのブロックチェーン・スタートアップ支援策が却下

地元紙Tages-Anzeigerの24日の報道によると、ブロックチェーン新興企業へのコロナ支援措置として提案されていた、1億スイスフラン(110億円相当)の官民ファンド案が却下されていたことがわかった。

チューリッヒの南に位置するツーク州を中心とした「クリプトバレー」には、800社以上の仮想通貨及びブロックチェーン新興企業が集まる。 ツーク州の財務局長で、スイス・ブロックチェーン連盟(SBF)の会長も務めるHeinz Tännler氏は、ツーク州からの拠出金と民間投資およびスイス連邦政府からの保証によって構成されるベンチャーファンドを設立することで、コロナ危機に苦しむこれらの新興企業を支援しようと、政府との協議を重ねていた。

スタートアップを取り巻く厳しい状況

情報筋によると、ツーク州議会は先週、コロナ危機関連の20数件に及ぶ財政支援申請を検討したが、そのほぼ全てが承認される中、ブロックチェーンスタートアップ向けの申請のみが却下されたという。

スイス政府は先月、新興企業向けの緊急援助として1億5400万フラン(約170億円)の信用保証を提供すると表明していたが、苦境に陥ったスタートアップの救済には十分ではないとTännler氏は述べている。さらに、政府の融資枠では企業の売上に基づき審査されるため、収入を生み出すに至っていないスタートアップには不利な状況で、申請しても受給できないケースが70%近くに上っているとのことだ。

SBFの調査によると、回答を寄せた203社のうち、8割近くのブロックチェーン・スタートアップが年内にも倒産する可能性が高いという認識を持っており、危機的な状況だと言えるだろう。

新たな支援策

しかし、全く希望がないわけではない。

ツーク州は25日、コロナ禍で打撃を受けた「持続可能なスタートアップ企業」に対し、連邦政府と共同で、総額1500万スイスフラン(16億6000万円相当)の支援を行うと発表した。ツーク州が最大500万フラン、連邦政府が1000万フランを負担する。

スタートアップは任意の銀行へ融資を申請することが可能となる。この融資は、他のコロナ支援プログラムと同様の内容(保証協会の直接保証:連邦政府65%、ツーク州35%の間接保証)で、今月27日から8月31日までの期間に、連邦政府のプラットフォームより申し込むことができるという。

ただし、数あるスタートアップから「明日の勝者を選ぶのは非常に難しい」ため、融資を受けるスタートアップ企業の選定には、外部の専門家の意見を取り入れた審査が行われるという。

スタートアップの成功率

コロナウィルスパンデミックが、クリプトバレーのブロックチェーン・スタートアップに大きな打撃を与えたことは確かだが、クリプトバレーが「死の谷=Death Valley」となると決めるのはまだ時期尚早だと、スイスのマーケティング会社Relevance Houseの共同設立者German Ramirez氏は言う。

同氏は業界を問わず、80%のスタートアップが失敗することは通常のことで、起業というゲームの一部であり、特にコロナウィルスとは関係ないと指摘。 しかし、パンデミック収束後には、ブロックチェーンのような革新的技術によるデジタルソリューションが求められ、新たな機会が創出されるとその先を見据えている。

確かに今後数ヶ月は厳しい「自然淘汰」に見舞われる企業も多いだろう。しかし、クリプトバレー協会のDaniel Haudenschild会長は、この業界は打たれ強いメンタルを備え、立ち直る力を持っていると次のように述べている。

「この業界の人々は、自分たちがやっていることを心から信じている。一つのプロジェクトが失敗しても、またすぐに別のプロジェクトを立ち上げる。エコシステムからの大量撤退はないだろう。」

逆境を生き抜いたスタートアップこそが、次世代を担う真の有力企業に成長を遂げるのかもしれない。

出典:Tages-Anzeiger

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/22 月曜日
20:05
Bybit、日本居住者向けサービス終了へ 2026年1月が最終期限
Bybitが日本居住者へのサービス終了を発表。2026年1月22日がKYC2完了の最終期限となり、未完了者は制限対象に。金融庁の規制強化を背景に、10月の新規登録停止に続く措置。世界第2位の取引量を持つ同社の撤退により、多くのユーザーへの影響が予想される。
18:00
Digital Space Conference 2026 無料チケット受付開始
ユーザーがメタディスクリプションを100文字程度で作成するよう依頼しています。DSC2026の記事内容に基づいて、SEOに適したメタディスクリプションを作成します。2026年2月17日、虎ノ門ヒルズフォーラムで「Digital Space Conference 2026」を開催。日本デジタル空間経済連盟主催、CoinPost企画・運営。AI、Web3、メタバース等を横断し次の社会像を議論。参加無料、チケット受付開始。
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
09:45
ファンドストラットが2026年仮想通貨市場に弱気予測 トム・リー氏と対照的
ファンドストラットが2026年前半に仮想通貨市場が下落することを予測した。一方、同社のトム・リー共同創業者は、ビットコインやイーサリアムに強気見解を示している。
08:51
テザー、AI機能搭載モバイルウォレットの開発を発表
テザー社がAI機能搭載のモバイルウォレット開発を発表。ビットコイン、USDT、USAT、XAUTの4資産に対応し、WDKとQVACを活用してプライバシーと自己管理性を重視した設計を目指す。
08:23
VanEck、アバランチETF申請にステーキング報酬機能を追加
VanEckが米SECに提出したアバランチETF申請書を修正し、ステーキング報酬機能を追加。保有AVAXの最大70%をステーキングし利回りを創出する計画。米IRSの新規則が後押し。
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧