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スペースXの打ち上げイベントを仮想世界で イーサリアム上の3D仮想空間Decentraland

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スペースXの宇宙船打ち上げ「Decentraland」でも中継

5月30日、イーロン・マスクが設立したスペースXが、米国フロリダ州で9年ぶりの有人宇宙船を打ち上げたことを受け、バーチャル世界でスペースXの打ち上げイベントが行われた。

イベントが行われたのは、「Decentraland」と呼ばれるゲームの世界で、ロケット発射を見守る人々や「スペースX」のロゴが描かれた機体が空へ上がっていく様子が確認できる。

「Decentraland」は、イーサリアムのスマートコントラクトを利用して構築された3D仮想空間で、土地開発に主な焦点を当てたゲームだ。

独自の仮想通貨MANA(ERC-20トークン)を利用して仮想空間の土地を購入し、様々な施設を立て、サービスを展開して収益を上げることも可能である。ユーザーは自由に性別や髪形、服装などパーツを選んで自分のアバターを作成可能。

一部の区画では、文化や宗教などテーマのあるコミュニティが築かれており、今までにはインド、ロシア、韓国、中国、日本などの地域文化や、ミサが行われるキリスト教の教会、仏教のパコダ、イスラム教の礼拝堂などが確認されている。

 

今回、「Decentraland」上でスペースXの打ち上げが行われたのは、5月に新しくできた空間「Genesis Plaza」。

美術館や巨大スクリーン、トレードセンター、様々なモニュメントを擁する、バーチャル娯楽空間が広がっている。

バーチャルゲーム空間で現実の収入を獲得

Decentralandでは、高い場合は日本円相当で数百万円の価格が付いた土地も散見される。商売を始めて収益を上げやすい場所にある区画は高く売れるようだ。

仮想のゲーム空間で収益を上げる人々は増加している。「Decentraland」と類似したバーチャルゲーム空間「Somnium Space」では、今年バーチャルの土地がオークションにかけられ、10週間で47万ドル(約5000万円)もの売上があった。

「Somnium Space」も、2019年よりイーサリアムのブロックチェーンを統合している。ソニーと提携することで、優れたショップやアバターを実現しており、仮想空間でのeコマース、エンターテイメントなどを収益化可能。

例えばミュージシャンなら、仮想世界で音楽をストリーミング配信して収益を得ることができる。また、写真家は仮想施設のウォールに画像作品を設置して収益化したり、不動産所有者はアーケードゲームなどのプログラミングコードを購入して、ゲーム内に開いたパブの店内に設置して収入を得ることも可能。

仮想トークンは、法定通貨に変換することも可能なため、現実世界での収入源ともなる。

仮想経済を研究する企業、L’Atelier BNP Paribasによるとビデオゲームや「Somnium Space」「Decentraland」等からなる仮想経済から現実世界での収入を稼ぐ市場は急速に成長しているという。

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