創業者が2020年にかける想い
2017年より活動を開始し、順調に拡大してきたオントロジー。創業者のAndy Ji氏は「2020年により『大きな節目』を迎えるであろう」と語った。
メッセージの中で同氏は「汎用的なアプリケーションシナリオに対応できる自律型ブロックチェーンの基盤構築に全精力を注いできた」と言及。その土台を足がかりとし、2020年をオントロジーの歴史にとっても大切な指標となる一年にしたいと訴えた。
オントロジーが注力する分野
過去数年間、オントロジーはゲーム・DeFi・コンテンツ領域での実装に重きを置いてきた。その数年間の功績は、80以上のユースケースの立ち上げとデイリーアクティブユーザー(DAU)が最高時で130,000を記録した実績として表れている。
さらにオントロジーは、将来的に重要な機会を探るべく調査・分析も重ねてきた。その結果、複数の事業領域におけるブロックチェーン技術の普及に注力していく方針が定まった。
デジタル通貨領域
ステーブルコインやデジタル通貨を効果的に用いることで偏りのない量的緩和を実施、貧富の差を緩和することが可能だという。そのような考えに基づいて、LibraやCeloなどの決済インターフェイスAPIを集約して各アプリケーションでの決済を可能にするなどのサービスを提供する見込みだ。
自動車産業
次世代の車載オペレーティングシステム(以下OS)の領域にも、オントロジーが貢献する余地がある。オントロジーブロックチェーンを利用することで、人と車のインタラクションやスマートコントラストに基づいた少額決済が提供できるという。
このビジョンを達成するため、オントロジーは既にフォーチュン500に名を連ねる自動車関連企業と協力して次世代車載OSの構築を推進している。次世代車載OSに搭載される各種機能は、ブロックチェーン技術が支える。たとえば、車のスマートロック機能では、オントロジー上にある公開鍵と秘密鍵が活用される。
個人情報領域
個人情報の所有権を安全に保護できる新しい仕組みも加わる見込みで、データの所有権を複数の管理者に分ける。また近々ローンチされる予定のデータ革命イニシアティブ(DRI)では、データの自己主権性と透明性を高めるため、多国籍企業やNGO、学校などと提携していく。
5月に発表した分散型データマーケットプレイスのSAGAとデータの承認と・転送をシームレスに実行可能にするDDXFによってBtoBのユーザーをサポート。さらに、BtoCにおいてもオントロジー公式ウォレットの「ONTO」は個人情報の分散型保存、承認、取引の土台となる。ONTOは車の保険やフィットネス、物の貸し借りなどという日々の活動にも活用することができるという。
ブロックチェーン開発のハードルを下げるための統合
オントロジーが提携先として選ぶのは、上記の事業領域にとどまらない。
6月18日、オープンソースプロジェクトの「ロゼッタ」との統合を発表した。ロゼッタは、ブロックチェーン開発を円滑に進めるために各ブロックチェーン技術の仕様を分析し、それに基づいたプロトコル統合のスタンダード確立を目指す、仮想通貨取引所のCoinbaseが主導するプロジェクトだ。
ロゼッタによりプロトコル統合のスタンダードが確立されると、仮想通貨取引所や関連するプラットフォームなどをシームレスに繋ぐ技術フレームワークができあがります。これにより、様々なブロックチェーンソリューションの採用・提携・普及が宇長っされると期待されている。
詳細:オントロジー、コインベース主導のオープンソースプロジェクトRosetta(ロゼッタ)との統合を発表
ステーキングへ参加しやすく
オントロジーがもたらす可能性は、企業同士の協力や参入だけに限らない。一般人がサービスのユーザーとしてだけではなく、オントロジーエコシステムの維持・運営に参加する難易度が下がっている。
ガバナンス投票の結果、オントロジーのガバナンスシステムを改良することが決定。コミュニティ主導の分散型ネットワークが健全に運営され続けるためには、適切なガバナンス体制が必須だ。その実現のため、オントロジーはステーキングへの参加要件となるONT所有量を7月7日から下げることを決定。従来は500ONT所有していなければステーキングに参加できなかったが、1ONTからステーキングへ可能だ。
他にも、ガバナンスに関する投票に参加して得られる報酬を引き上げるなどの変更を加え、フェアなプラットフォーム構築に尽力していることが伺える。
多岐に渡るサービスを開発・提供しつつ、様々な企業と提携しユーザーにとって価値の高いエコシステム構築を試みるオントロジー。2020年下半期以降の動きにも注目が高まりそうだ。