韓国、仮想通貨取引で得た利益に対して「20%課税」の法案提出

仮想通貨利益に20%課税の方針

韓国国会に、仮想通貨取引で得られた利益に「20%課税」する法案が提出された。

仮想通貨を、通貨ではなく資産価値のある「商品」とみなすことで税金を課すことが可能になる。これにより、韓国議会は仮想通貨の経済的価値について議論することになりそうだ。

課税を提案した民主党のヤン・ギョンスク議員は次のように語る。

これまで韓国では、仮想通貨は通貨の機能としてのみ認識されており、所得税は課されていなかった。しかし近年、仮想通貨が資産価値のある商品として取引されることが増えている。

仮想通貨には商品としての資産価値があると考えられ、公正な課税の基礎を築くためにも、それらをキャピタルゲイン税の課税対象に含める法案を提出したという。もしこの法案が可決すれば、韓国も米国や日本のように、ビットコインその他の仮想通貨に税金を課すことになる。

日本の金融当局は、仮想通貨については株式やFXと異なる扱いをしており、給与収入などと合計して税率を算出する総合課税を行い、取引収益に最大55%の税率を適用している。

新たな税収源として、どこまで機能し得るか

韓国では、新型コロナウイルスのパンデミックによる景気後退の影響を踏まえ、政府が3回目の予算拡大措置を実行するなど、財政健全性への懸念が高まっている。

このタイミングで進められている新しい課税法案については、政府が新興市場から追加で税金を徴収することによって、予算支出を相殺することを目的としているのではないかと訝る声もあるようだ。

韓国の金融監視機関である金融サービス委員会の統計によると、仮想通貨の取引額は1日あたり平均1.33兆ウォン(約1100億円)に上る。韓国に居住しない者については、仮想通貨取引所が代わりにキャピタルゲイン税を源泉徴収するという項目も法案には含まれる。

韓国内では賛否両論

この方針について、韓国内では賛否両論がある。

延世大学の経済学者、ソン・テユンは同意していない。

市場が安定した形で十分に発展していない時期に、仮想通貨税を課すのは時期尚早だ。突発的な課税や規制の導入は、業界の持続可能な成長にとって障害となる可能性がある。

また経済的観点から見ると、仮想通貨は伝統的な紙の通貨のような普遍的資産と見なすことはできないという。

一方、高麗大学の経済学者キム・ジンイルは、仮想通貨に対する課税や規制が業界の成長を阻害する可能性があるとしても、措置はすぐにとられるべきだと主張した。

規制が市場の短期的な成長を妨げる可能性があっても、潜在的に起こり得る金融危機の影響を最小限に抑えるためには、それが最も効果的な手段になるという。

さらに、金融業界での過失や事故を予防する上でも、政府は新興の仮想通貨市場により注意深い規制を導入する必要があると述べた。

仮想通貨取引所のライセンス制度導入

韓国は、仮想通貨取引所についても規制の整備を進めており、今年3月「特定金融取引情報報告及び利用などに関する改正案」が可決された。2021年3月より施行予定だ。

この法案により、仮想通貨取引所は当局へライセンス登録することが必要となり、顧客の身元確認、資金洗浄対策などが義務化される。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します