はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

グレースケール仮想通貨投資信託の需要急増、背景に「アービトラージ」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

裁定取引への利用も人気の背景か

米グレースケール社の仮想通貨投資信託商品への需要が急速に伸びているが、この理由として裁定取引(アービトラージ)の機会に利用されているとの指摘が挙がっている。

グレースケールの主力商品であるビットコインとイーサリアムの信託は両方とも、原資産の価値に対してプレミアムを上乗せした価格で取引されている。

そこで、多くのヘッジファンドが自前でコインを購入または借用し、その現物資産でグレースケールに出資を行うことで、より多くの投資ユニットを作成する手法を使うという。

ヘッジファンドMulticoin Capital Managementの共同創設者Kyle Samaniは、次のように語った。

これらが原資産に対してプレミアム価格で取引される場合、リスクのない利益を手にすることが出来る。グレースケールでの裁定取引は一般的だ。

グレースケール投資信託は、認定バイヤーのみに定期的な株式の私募を提供しており、最長12か月のロックアップ条項を含んでいることから、こうした取引が可能となる。

ただ、私募には参加できない小規模な投資家は、認定投資家が購入しロックアップされた株式が、数か月後に売却される時にリスクにさらされる可能性も指摘されている。

仮想通貨投資信託が人気の理由は?

グレースケールの2020年第2四半期「デジタル資産投資レポート」によると、同社への第2四半期流入額は過去最高の9億580万ドル(約960億円)を記録。今年第1四半期もそれまでの最高値だったが、さらに約2倍となった。

また機関投資家からの資本流入が8割を超えていたという。

今回指摘された、裁定取引への利用以外にも人気の理由は幾つか挙げられている。同社の運営ディレクター、マイケル・ゾンネシャインはレポートの中で三つほど理由を挙げた。

関連:ビットコイン投資信託に巨額の資本流入、背景に「退職金アカウント」の存在も

資産保管の手間が省ける

グレースケール商品のうち4つ(ビットコイン、イーサリアム、イーサリアムクラシック、グレースケール・デジタルラージギャップファンド)は、認定された「適格投資家」であれば、純資産価値で直接同社から購入することができる。

これらにより、投資家が仮想通貨を直接に購入、送信、維持保管する手間が省けることになる。大半の大口投資家にとっては資産をカストディアンに預けることが習慣化している状況だ。

老後資金運用でもニーズが上昇中

また、近年需要が高まっている米国の個人退職金口座(IRA)や確定拠出型個人年金制度401Kなどが、仮想通貨をポートフォリオの一環として取り扱い始めていることも大きい。

グレースケール製品を多く購入する層には退職金アカウントも含まれており、節税効果の高い方法で資産管理を行いたい者からのニーズを反映している。米国では老後資金貯蓄制度が普及しており、税制優遇措置も設けられている。

リスクヘッジ資産として仮想通貨に注目集まる

新型コロナ禍により各国政府が大規模な金融緩和政策を行った結果、代替資産に注目が集まっている。ビットコインのような仮想通貨については、発行量の上限が定められていることや、検証可能な希少性などの面が見直されている。

尚、4月末時点でグレースケールは、契約数の飛躍的増加のため、2020年の約4ヶ月で新たに採掘されたイーサリアム(ETH)のおよそ半数を投資信託向けに買い付けていたことが報道されている。

関連:「新規発行量の5割」 投資信託から見る機関投資家の仮想通貨需要

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/20 木曜日
20:00
Aptosのエコシステム責任者が語るエコシステム戦略|独占インタビュー
Aptosのグローバルリーダーが語る、エコシステムの成長戦略と日本市場への本格参入。DeFi、AI、クリエイターエコノミーなど注目分野や、10億ユーザー規模を見据えた技術開発について聞いた。
16:51
NVIDIA決算好調、米株上昇と仮想通貨相場回復の連鎖起点に
11月19日NVIDIA決算発表後、Nasdaq総合指数0.6%高。マイニング企業株(IREN10%高など)がAIシフト恩恵で買われ、BTCは89,000ドル安値から91,000ドル回復。専門家は電力供給の重要性を指摘、関連投資機会を分析した。
16:44
米民主党議員がトランプ一族関与のワールドリバティに調査要請 国家安全保障への懸念示す
エリザベス・ウォーレン上院議員らが、トランプ大統領一族が関与するDeFiプロジェクト「ワールドリバティ・フィナンシャル」に対する調査を要請した。北朝鮮・ロシア関連団体へのガバナンストークン販売が国家安全保障リスクになると指摘し、利益相反の懸念も表明した。
16:00
米大手取引所クラーケン、SECにIPO申請を提出 評価額3.1兆円
米仮想通貨取引所クラーケンが米SECにIPO申請を提出。評価額は200億ドル(約3.1兆円)で、2026年第1四半期の上場を目指す。トランプ政権の友好姿勢を背景に、仮想通貨企業の上場ラッシュが続く。
14:09
ビットワイズのXRP ETFが米国で上場へ カナリーに次ぐ2つ目の現物型商品
ビットワイズのXRP現物ETFがNYSEに上場へ。欧州GXRPに続く2本目のXRP商品で、米国では初提供。XRPCの初日取引高90億円超など、アルトETF市場が急拡大している。
12:35
ビットコイン9万ドル回復、エヌビディア好決算で投資家心理改善 マイナー売り圧に変化の兆しも
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+3.4%の1BTC=92,331ドルに。 20日にかけて、88,000ドル付近から92,000ドル超…
11:59
ブロック社が強気の財務見通し、3年で粗利益2.5兆円目指す  自社株買いも発表
ジャック・ドーシー率いるブロック社が今後3年の財務見通しを発表。粗利益の年間15億ドル増加を予想し、株価が7.6%上昇した。AI・仮想通貨事業も強化している。
10:36
米大手仮想通貨取引所コインベース、予測市場・株式取引機能を導入か
米コインベースが12月17日に「新時代」を発表予定。リーク情報から予測市場・株式取引機能の実装が示唆され、カルシとの提携深化やブロックチェーン株式取引の展開が期待される。
10:14
仮想通貨XRP、ステーキングを導入する案が浮上
RippleXのエンジニアリング部門のトップは、仮想通貨XRPへのステーキング機能導入を考察していると説明。ステーキングは報酬が発生する仕組みであり、投資家からも注目を集めている。
09:41
「銀行の仮想通貨保有について、基準見直す必要性がある」バーゼル委員会議長
バーゼル委員会議長がステーブルコインの台頭を背景に、銀行の仮想通貨保有規制の見直しが必要だと発言した。現行の厳格な資本要件の緩和が焦点となっている。
06:48
「ビットコインとはサービスである」Bitwiseが価値の本質を指摘
仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者は、ビットコインはサービスであるとの見方を示した。マイクロソフトと比較しながら、価値の本質を説明している。
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧