CoinPostで今最も読まれています

今後数年の仮想通貨・ビットコイン業界展望予想:投資ファンドがレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今後数年の仮想通貨業界予測

情報技術企業にベンチャー投資を行うファンドJump Capitalが、今後数年に渡るビットコインや仮想通貨に対する展望を発表。市場が改めて盛り上がったタイミングでThe Blockが公開記事として紹介した。

予測は大きく分けて次の三つであるという。

  1. ビットコインは今後のデジタル時代には、多くの投資家のポートフォリオで採用されるだろう。
  2. ステーブルコインは新たなグローバル資金移動レールを提供、世界の多くの地域でドル化を可能にする。
  3. 近い将来では、引き続き投機的取引が最大の市場となる。

本記事では、このレポートから展望を幾つか紹介する。以下はすべてJump Capitalの見解となる。

インフレや不安定性とビットコイン採用

新型コロナ危機により、主要経済国が大規模な刺激策を導入、すでに高水準の債務を押し上げており、米国の債務はこれまでの最高水準にある。失業者が増加し、世界中のサプライチェーンが混乱しており、数年のうちに、数十年に一度のインフレや不安定性が発生する可能性が高い。

2008年の金融危機とそれに続く複数回の金融緩和の結果を見ると、2008年から2013年の間にゴールド(金)が株価を大幅に上回っていた。 インフレが3〜4%レベルまで増加することは、金やビットコインなどの価値保存手段へと資金フローを増加させるきっかけとなり得る。

COVID-19パンデミック以降は特に、大物投資家が相次いでBTCへの投資を支持しており、実際にCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコイン先物への関心が高まり、米グレースケールでも仮想通貨投資信託に機関投資家から巨額の資本流入を記録した。

関連:ビットコイン投資信託に巨額の資本流入、背景に「退職金アカウント」の存在も

また、希少性や検閲耐性などのビットコインの特性が実感されるのは、不安定な通貨体制や政府・金融機関への信頼性が低い状況で高くなる傾向にあり、アフリカやラテンアメリカでのピアツーピアのビットコイン交換量は、ビットコイン価格と関わりなく、時間とともに着実に増加している。

関連:ビットコイン、アフリカで需要急増 自国経済の悪化や通貨安で

またビットコインは、準備高を多様化し、米ドルへの依存を最小限に抑えることを目指す多くの国にとってゴールドのような魅力的な代替手段になる可能性も今後あると考えている。

米ドルベースのステーブルコイン台頭

米ドルとペッグされたステーブルコインが台頭しており、その総額は120億ドル(約1.3兆円)近くになっている。特にテザー(USDT)とUSDコイン(USDC)が順調だ。

米国の金融政策と債務水準などは懸念されているが、国際的に見ると発展途上国を中心として、米ドルは現地通貨よりも安定しており、安全な逃避資産と見なされている。エクアドルなどの国々は過去に通貨システムを完全にドル化しており、ベネズエラは現在ドル化に向かっている。

こうした状況で、米ドルベースのステーブルコインは、ドルへのアクセスをこれまでになく容易にして、世界中の多くの人々がドルベースの金融システムを利用できるようにする可能性がある。(資産の裏付けは必要)

ステーブルコインの市場価値が、今後数年間でイーサリアムやビットコインのような主要な仮想通貨を上回っても不思議ではない状況といえる。ステーブルコインは仮想通貨の持つ、グローバルにいつでも即座に転送、決済、検証が行える性質と、ステーブルコインの安定性を組み合わせることで、将来のグローバルな資金移動経路となる可能性が高い。

これから期待される仮想通貨関連事業

仮想通貨テクノロジーはまだ新しく、根本的にリスクがある。このため「デジタルゴールド」となるのはまだ先のことだが、それまでは投機的取引が仮想通貨の最大の市場であり続けると予測する。

以上のような考察を前提にすると、Jump Capitalとして予測する、これから期待される事業とは次のような分野だ。

  • フィアット/仮想通貨の取引所–特に発展途上国市場
  • 暗号資産金融インフラ
  • 国際的な仮想通貨デリバティブ取引所とCFDブローカー
  • 仮想通貨コンプライアンス技術

仮想通貨の規制は国により非常に異なっており、仮想通貨取引所ができる事業の幅にも差異がある。このため、近い将来には仮想通貨取引所がそれぞれの地域で構築されると予想。特に、人口やGDP、需要などの要素を考えると、インド、ラテンアメリカ、東南アジア、トルコのような地域が魅力的な市場となる可能性がある。

デリバティブ取引所やCFDブローカーについては、国際的に厳密になる規制に準拠し、ローカルバンキングシステムに接続、投機家と実際のヘッジが必要な企業の両方に最善のサービスを提供できる企業に最も期待している。

コンプライアンス技術を提供するビジネスモデルは、BTCなどの価格変動に左右されない点に強みがある。政府と金融機関の両方がトランザクション分析、市場監視、KYC(顧客身元確認) / AML(資金洗浄対策)などを常に実行できるようにする必要が生じている。

スタートアップ企業にも、そうしたコンプライアンスを行う技術を提供する機会がある。また、従来から金融機関にサービス提供している法的順守テクノロジー企業にも仮想通貨関連市場で成功するためのチャンスが生まれていると言えるだろう。

CoinPost App DL
記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧