はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーンでデジタル社債の試験発行に成功 シンガポール証券取引所とHSBC銀が連携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル債券の試験発行に成功

国際的なメガバンクHSBC銀行、シンガポール証券取引所(SGX)、シンガポール政府系投資会社のTemasekが、分散型台帳ベースの債券の試験発行に成功した。

発表によると、世界最大のコーヒー豆、米、綿花のサプライヤーであるオラム・インターナショナルの5.5年社債がSGXのデジタル資産プラットフォーム上で4億シンガポールドル(約311億円)相当分、発行された。

今回の試験運用を担当したSGXの業務執行責任者Lee Beng Hongによると、同取引所は現在、プラットフォーム上での社債発行を完全にデジタル化する方向を目指している。

デジタル債券発行には、複数通貨でのシームレスな決済を可能にするHSBCのオンチェーン決済ソリューションが使用されており、発行者、契約を取りまとめるアレンジャー(幹事金融機関)、投資家やカストディアンなどの間で資金移動を容易化している。

債券とその分散型ワークフローのモデル化には、IT開発企業Digital Assetが作成したスマートコントラクト言語「DAML」が利用された。

このスマートコントラクトにより、アレンジャー、代理店、弁護士、カストディアンなど、デジタル債券発行に関わる様々な当事者の権利と義務を把握し、紙をベースとする手動の作業を削減することが可能になる。

実験では、速やかなISINコード(国際証券識別番号)の生成、決済リスクの排除、クーポンと償還の支払いやレジストラ機能の自動化など様々な点で効率性が上がったことが確認された。

デジタル債券を発行したオラム・インターナショナルの執行責任者であるN Muthukumarは、デジタル化の利点について次のようにコメントした。

デジタル化により、プロセス全体がより効率的で透明性の高いものとなり、当社のような発行体はより迅速に資金を受け取り、投資家はより迅速に債券を入手できるようになる。アレンジャー、カストディアン、銀行はエラーの減少や高速性により恩恵を受けることになる。

シンガポールはブロックチェーン技術を積極支援

シンガポールはブロックチェーン技術の導入を積極的に支援する国の一つである。

今回の債券発行にも参加したTemasekは、2160億ドル(約23兆円)にのぼる資金を運用する国営投資法人であり、ブロックチェーン関連投資も行っている。デジタルIDや貿易金融などのブロックチェーン技術応用分野に特化した別会社も設立した。

また、フェイスブックが主導しているリブラ協会にも、国有ファンドとして初めて加入。シンガポールドル(SGD)が初期よりリブラの計画で重視されていたこと、より優れた決済システムの立ち上げに関心があったことが参加の背景と考えられる。

関連:23兆円運用のシンガポール国有ファンドがリブラ協会に参加

またシンガポール政府が支援する「OpenNodes」というプラットフォームは、企業とブロックチェーン・ソリューションの提供者を結びつけ、各界のリーダーや政策立案者に教育コンテンツも提供している。

関連:シンガポールで急成長を遂げるブロックチェーン・エコシステム、参加する大手企業に見られる変化

7月には、シンガポールの中央銀行である金融管理局(MAS)が、ブロックチェーン基盤の決済ネットワーク「プロジェクトUbin(ウビン)」を商業利用する準備が完了したと発表。

国内における決済利用、証券の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)両方を行う「Delivery Versus Payment (DVP)」、多通貨同時決済などの機能のテストを終え、今後は資本市場、貿易とサプライチェーン、保険、その他の分野での実利用を探っていくという。

関連:シンガポール中銀のBC基盤決済ネットワーク、実運用準備整う

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧