WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自社BCG大ヒットで見えた課題点、スケーラブルなFlow Blockchainの革新性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バーチャル猫の開発企業が開発

「Flow Blockchain」はDapper Labsによって現実世界での普及・利用を想定して開発されたスケーラブルなブロックチェーンだ。Dapper LabsはこれまでにCryptoKittiesを含めたブロックチェーンゲームを世に送り出してきた。

バーチャルな猫を育成できるCryptoKittiesはブームとなり、一時はイーサリアムネットワーク全体にも影響を及ぼすほどの取引がされた。また、レアリティの高いバーチャル猫(デジタルコンテンツ)が高値で取引されたことは、仮想通貨業界の外からも注目を集めた。

複製の簡単なデジタルコンテンツにおいて、ブロックチェーンを用いることで希少性を持たせることが可能な事実を広く知らしめたという点でも評価されるゲームになる。

そのDapper Labsは、CryptoKittiesを運営する中で課題となったスケーラビリティの問題を解決するため、Flowブロックチェーンを開発した。

Flowブロックチェーンは安全かつ高速、そして開発者目線で作られたブロックチェーンであり、ゲーム、アプリ、デジタルアセットの次の世代におけるブロックチェーン基盤としての普及を目指す。

また、FlowにおけるNFT(非代替性トークン)とDeFi(分散型金融)の組み合わせこそが、デジタル経済とエンターテインメントが絡み合ったメタヴァース(インターネット上の仮想世界)の真の到来を導く鍵となるという信念を掲げている。

関連:仮想通貨投資を促すデジタルの招き猫:世界最大ブロックチェーンゲーム「クリプトキティーズ」

Flowブロックチェーンの特徴

Dapper Labsの開発するFlowブロックチェーンは他にはない独自性がある。核心部分となるスケーリングの課題解決については、既存のものとは異なる手法が採用されている。

・マルチロール・アーキテクチャ

Flowはパイプライン処理と呼ばれる方式をブロックチェーンに採用しており、アプリケーションなどの開発環境を阻害することなく、スケーリングの課題の解決を狙っている。スケーリングの解決方法として一般的なシャーディングとは異なる手法といえる。

具体的には承認ノード(ブロックチェーンのブロックを承認する役割)の仕事を4つに分けているが、シャーディングとは異なり、承認プロセスにおける複数のステージにまたがった、垂直的な仕事の分担がなされている。

この方法では、どのノードも全てのトランザクションの承認に関わるが、それぞれはライン生産方式のように一部に特化して仕事を行うだけ、ということになる。

これに対してシャーディングは、異なるトランザクションにまたがる水平的な分担の方法といえるが、シャーディングの場合はACID(不可分性、一貫性、独立性、永続性の頭文字をとったもの、トランザクション処理の信頼性の保証に必要な性質とされる)に照らすと問題が生じるという。

結果的には、シャーディングは仕組みの複雑化を招き、スケーリングという課題をアプリケーションの開発者に押し付けてしまう側面がある。

シャーディングを採用するブロックチェーンと違い、Flowではアプリケーションにおけるユーザーのアクションをより簡単に処理することができる。これは開発者の負担軽減に直結する利点となっている。

・開発者ファーストな環境

・リソース指向プログラミング

Flowのスマートコントラクトでは、Cadenceとよばれる言語が使われている。Cadenceはリソース指向型と呼ばれるタイプの新しいプログラミング言語で、簡単に学べ、編集が容易であることが特徴となっている。

より直感的に理解しやすい言語は、創造性が発揮されやすくなることも、Flowの狙いであり特徴のひとつである。

Cadenceに留まらず、Flowは開発者が参入しやすい環境に力を入れている。SDKなどのツールの提供も行っているほか、特徴の一つがスマートコントラクトがアップグレード可能となっていることである。

アップグレード可能なスマートコントラクト

スマートコントラクトをアップグレード可能にすると、その開発者が改悪等をしないという信頼が必要となるため、アップグレードを不可とするのはシンプルかつ有効な手法だった。

Flowではメインネットにスマートコントラクトをデプロイする際にベータ版状態にしておくことができる。この状態ではコードの編集も可能で、ユーザーには警告が表示される。コードが安全だと確認できた段階で、開発者は編集不可な段階へ移行する。

高速かつ安価なファイナリティ

また、Flowでは決定論的ファイナリティは数秒で得られることも特徴だ。ファイナリティとは決済が完了したことをいい、ブロックチェーンではトランザクションがチェーンに連なり、確率的に覆らないとされる状態になって成立する。

ビットコインでは、6個のブロックが連なることでファイナリティがあるとされることが一般的だが、これには1時間以上かかり、決済における課題となっている。

Flowでは、ほとんどのケースでトランザクションはすぐに実行され結果が返される。そうでない場合でも、10ブロックが確認され、ファイナリティが得られるのには10秒ほどしかかからないという。

ビルトインのロギングサポート

ブロックチェーンのデータは膨大になるため、ソフトウェアが正しく動作しているか確認するために必要なログを全て記録(ロギング)することが難しい。

既存のスマートコントラクトプラットフォームでは、ロギング機能がないことが課題となっていた。Flowは実際のログを全て記録する代わりに、そのログについて後から検索できるよう、トランザクションとログメッセージの紐づけを行った。

気になるメッセージがあれば、該当するトランザクションを見つけ出し、ローカル環境でトランザクションを再び実行することで必要な情報を得られる仕組みだ。

この手法によりロギングを効率化し、また、ロギングの機能を実装することが可能になった。

・ユーザーに配慮したサービス

Flowのトランザクションフォーマットは簡単に分析を行うことができる。これは、Flowのネットワークのアプリケーションやウォレットはユーザーに対し、セキュリティに関して可読性のある情報を提供できることに繋がる。

この特徴を活用すれば、ウォレットなどは、ユーザーに対し彼らが何を承認しているのかについて知らせた上で、決断を下してもらうことができるようになる。

・コミュニティについて

Flowではコミュニティに貢献した人には適切な報酬が与えられるよう設計がされている。

例えば、バリデータノードは計算能力を提供することになるが、それに対しては、ユーザーが支払うトランザクション手数料の一部が報酬として支払われる。ほかのブロックチェーンとは違い、比較的安価な機材でノードを運営でき、公平かつ非中央集権を保つことが可能になる。

また、エコシステムに加わる開発者に向けても支援する様々な仕組みが作られている。

その一つである、Flowアルファプログラムはパートナープログラムであり、パートナーとなる開発者などは、限定的な情報にアクセス出来たり、ビジネス開発、投資家への紹介などの特典を享受できる。

また、Flowのエコシステムで流通するFlowトークンの一部は、開発者への報酬としてハッカソンなどのイベントで賞金として配られる用途が想定されている。

エンターテインメント産業での取り組み

Flowのエンターテインメント産業における取り組みは、様々な企業との提携からも見て取ることができる。

Dapper LabsはアメリカのNBAとの提携を行い、現在新たなデジタルカードゲームとなる、NBA Top Shotの開発を行っている。Top Shotはもちろん、Flowブロックチェーン上で動かされ、選手の写真、動画などを保存することでその”瞬間”を集めることができる。

こういったビデオなどは全てデジタルカードとなって、カードゲームのようにパックとして販売される。当然、カードを売り買いすることも可能だ。

現在、NBA Top Shotはアーリーアクセスを受け付けている段階で、正式リリースは間もなくと説明されている。

ブロックチェーンに可能性を感じ、Dapper Labsと提携しているのはNBAだけではない。UFCやDr. Seuss、Warner Music Groupなど、それぞれの産業でも大きな影響力を持つ企業・団体たちがDapper Labsとの提携を行っている。

これらの企業は、スター選手から絵本のキャラクター、音楽まで、デジタルカード化の可能性がある様々な知的財産を抱えている。著作物の違法コピー対策として、新たな収益源としてデジタルで所有権を示す仕組みが今後ますますの普及が期待される。

Flowブロックチェーンとの親和性

また、こういったカード(NFT)の取引においてFlowブロックチェーンは極めて親和性の高さを発揮するといえる。

なぜなら、頻繫に行われるカードの取引において、手数料の高騰や処理の遅さはユーザーにとって不快な体験となるからだ。

DeFiの人気に伴い、イーサリアムネットワークでは高額な手数料(ガス代)が取られる状態が頻発している。手数料を下げる案も議論が行われているが、有効的な方法を見出せているとは言い難い。

処理の速さや手数料の安さの確保はユーザーのゲーム体験を向上させ、ブロックチェーンゲームが既存のゲームとそん色なく肩を並べ、一般のユーザーを獲得するために重要な要素となっている。

なお、CryptoKittiesについては、Flowブロックチェーン上でも新たにローンチされる予定で、既存のユーザーは問題なくどちらでも遊べるようになるという。

CryptoKittiesとNBA Top Shotのほかにも、Dapper Wallet、Cheeze Wizardsなどのサービスや、将来的にはさらに多くのプロジェクトがFlowブロックチェーン上で展開される見込みだ。

公式リンク

・Flow

・Flow community token offering

・Dapper Labs

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:54
3メガ銀、共同発行ステーブルコインで国際決済の実証を完了
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の3メガバンクなど5社が、共同発行する円建てステーブルコインで三菱商事の国際決済を想定した実証を実施した。信託型の発行スキームとAML対策、2026年度中の実取引に向けた設計を整理する。
17:24
ANAP、ビットコイン評価損43.7億円を計上 前期の評価益12億円から反転
ANAPホールディングスは15日、2026年8月期に保有ビットコインの評価損43億7,466万円を計上したと発表。最終損失は73億2,300万円に拡大した。前期の評価益からの反転と、期中に開示した評価損の推移をまとめる。
16:51
英上場スマーター・ウェブ、83BTCのビットコインを追加取得 保有2830BTCに
英上場のスマーター・ウェブ・カンパニーが83BTCを約520万ポンドで追加取得し、ビットコイン保有量は2,830BTCに。優先株の調達資金でコインベースからの借入を圧縮したほか、累計のBTC売却額も開示した。
15:45
リップル社、株式や金属などに連動する無期限スワップを機関向けに開始
リップル社の機関投資家向けプライムブローカー「リップルプライム」が、株式やETF、金属、為替など100超の市場を参照するRWA無期限スワップの提供を始めた。ハイパーリキッド上の先物を参照し、24時間取引できる。担保にはRLUSDも使える(法域により異なる)。
14:53
SBIら、ドル建てOUSD連合に参画 円建てJPYSCと相互運用を検討
SBIホールディングスとスターテイルが、米ドル建てステーブルコインOUSDを推進するオープンスタンダードに参画した。ビザやコインベースなど140社超が加わる枠組みで、円建てステーブルコインJPYSCとの相互運用に向けた実証実験を検討する。
14:20
グーグル、量子コンピュータ「20年の壁」に前進 必須工程でエラー40分の1に
Google Quantum AIは、量子プロセッサ「Willow」で「マジック状態の培養」を実証したと発表した。エラーを約40分の1に低減し、T状態の論理忠実度99.99%を達成。成果は科学誌Scienceに掲載された。
14:01
オープンAIの研究モデル、イーサリアムのテストネットで他者の資金を無断使用
オープンAIは15日付の報告で、社内研究モデルがイーサリアムのテストネットSepoliaで、公開シードフレーズから第三者のウォレット鍵を導出し、無断で手数料を支払っていたことを明らかにした。モデルは許可を自問しつつ実行し、最終報告でも開示しなかった。
12:30
レジャー、不正部品攻撃は流通経路狙った組織的犯行と説明 対策も公開
レジャーは、同社仮想通貨ウォレットへの不正部品混入は組織的犯罪グループによる流通段階の改ざんだったと説明。東南アジアでの販売停止や陳列禁止など対策も公表した。
11:29
バイナンスUS、最大1億ドル調達へ 評価額約10億ドル=報道
米仮想通貨取引所バイナンスUSが最大1億ドルの資金調達を模索していると、ブルームバーグが報じた。評価額は約10億ドルで、2022年調達時の45億ドルを大きく下回る。予測市場への参入や州ライセンスの回復も視野に入れる。
10:50
上場ビットコインマイナー3社の9月採掘量、2社が前月比4〜11%減
仮想通貨ビットコイン採掘企業3社が9月の実績を報告。クリーンスパークとビットフフが前月比で減少し、カナーンは横ばいだった。データセンターや排熱利用などの進捗も述べた。
09:54
MSCI新ルール決定、メタプラネットなどビットコイン保有企業の指数除外可能性高まる
米指数算出大手MSCIが非事業会社をグローバル指数の採用対象外とする新基準の導入を発表した。5つの財務比率で判定し、11月30日に発効する。ビットコイン保有企業ストラテジーやメタプラネットへの影響と判定方法を整理する。
09:00
レジャー、新端末「Ledger Atom」発表 不正装置対策も計画
仮想通貨ウォレット大手レジャーは、新デバイスLedger Atomを発表。2027年夏にローンチしたり、不正装置対策を講じたりする計画を説明した。
10/15 木曜日
16:28
ドル建てステーブルコインUSDC払い可能な「Slash Card」一般公開へ
Slash Visionは15日、アプリ「Slash App」を正式リリースし、USDCで決済できるVisaカード「Slash Card」を一般公開した。事前登録制を終え、誰でもアプリから申し込める。運転免許証による本人確認にも対応した。
14:30
ビットコイン相場が膠着状態、8万ドルが重要な分岐点に=Glassnode分析
オンチェーン分析企業Glassnodeは、ビットコインが上値の売り圧力と下値の厚いサポートに挟まれた膠着状態にあると分析した。ETFの売り再開も影響し、8万ドルが重要な分岐点となるとみる。
14:00
ステーブルコインUSDC、EU初の「重要な電子マネートークン(EMT)」に指定
EU当局は14日、サークル社のステーブルコインUSDCをMiCAに基づく初の「重要な電子マネートークン」に分類した。準備資産や流動性などの直接監督権限がEUに移る。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧