機関投資家が足踏みするDeFiの参入障壁、英カストディ関連企業がリスク対策機能追加

機関投資家向けの新機能を追加

暗号資産(仮想通貨)のカストディソリューションを提供するTrustologyは23日、機関投資家向けのツールに、安全にDeFi(分散型金融)を利用できるようにするための保護機能を追加したことを発表した。

中央管理者なしで稼働するDeFiのプラットフォームには、スマートコントラクトによって取引が実行されるなど、特有のリスクが潜んでいる。多額の資金を扱う機関投資家はよりリスクが大きくなるため、今回のサービスを考案した。機関投資家のDeFi参入が進むか注目が集まる。

ロンドンを拠点にするTrustologyは2017年設立。創業以来、カストディのセキィリティや秘密鍵の管理に関する開発を行ってきた。

すでに提供しているウォレットには間違ったアドレスや取引所に送金することを防ぐ機能を搭載してきたが、今回それをDeFiのスマートコントラクトにも対象を拡大した。

TrustologyのCEOは仮想通貨メディアCoinDeskに対し、「Uniswapのプラットフォームは使うけどKyberSwapは許可しないようにしたり、USDCやDAIは使うけどUSDTは使わないといった設定ができる。またそれらの資産を許可したアドレスだけで循環させることも可能だ」と説明。今後も新たな機能を追加することも明らかにしている。

DeFiの現状

一時期の熱狂は収まったものの、現在でもDeFiの需要は増加している。昨日にはトークン化されたビットコイン(BTC)の人気が高まっており、発行総額が約11億ドル(約1160億円)に達したことが分かった。

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一方で巨額の資金を誤送信した事例も明らかになっている。ある投資家がステーブルコインのテザー(USDT)100万USDT分(1億円相当)を、分散型取引所「SwerveFinance」のコントラクトアドレスに直接送信し、資金を失った。DeFiでは一般企業のように顧客サポートが存在しないため、ミスを犯すと資産を失うリスクもある。

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Trustologyによると、ブロックチェーンのセキュリティを高める取り組みは今まで行われてきたが、ウォレットレベルで安全性を高める方法は今までなかったという。Trustologyは利便性やリアルタイムでの取引といった機能を犠牲にせずにセキィリティを高めることに成功しており、機関投資家向けのプロトコルをまたいだDeFiの管理機能を提供するのは、同社が初だと主張している。

参考資料 : Trustology


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