はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米通貨監督庁トップ、銀行への規制ガイダンス提供で「暗号資産の神秘性を取り除く」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

銀行へのガイダンス提供が仮想通貨の導入を促す

米通貨監督庁(OCC)は、的確な規制ガイダンスの提供が、暗号資産(仮想通貨)導入に対する銀行の懸念を緩和すると期待しているようだ。

OCCは仮想通貨を擁護するものではないが、同時に反対もしないという立場をとっている。OCCのトップ、Brian Brooks通貨監督官代理(日本の金融庁長官に相当)は、仮想通貨の成長と採用は時代の必然的な流れであり、伝統的な銀行が安心して仮想通貨を導入できるシステムの構築ができるように、明確な規制の枠組みを提供することこそが、規制当局であるOCCの務めであると考えている。

OCC発表の規制ガイダンス

OCCは財務省内の独立した機関で、連邦法により許可を受けた国法銀行や連邦貯蓄金融機関に対する監督権限を有する。この数ヶ月間で、OCCは公式書簡の発表を通して、仮想通貨に関連する規制当局としての立場を示してきた。

今年7月には、管轄するこれらの金融機関に対し、仮想通貨のカストディサービスの提供を許可するという公式見解を発表。また先月、特定のステーブルコインの裏付けとなる準備金としての預金を、対象金融機関が保有することを認める旨を、公式書簡で示した。

ステーブルコインに関するガイダンスでは、さらに踏み込んで、「ホスト型ウォレット」に関連するステーブルコインに対する預託サービスに限るものであり、対象となるステーブルコインも、1:1で単一の法定通貨に裏付けられた種類のみ、という解釈を示している。

Brooks通貨監督官代理によると、大手金融機関の中には、すでに数十億ドル規模のステーブルコインに対する準備預金を保有している銀行も存在するため、早急に明確な規制の方向性を示す必要があったとのことだ。

仮想通貨業界に精通したBrian Brooks氏

今年5月にOCCのトップに就任したBrian Brooks氏は、その直前まで米取引所大手コインベースの最高法務責任者を務めた人物で、仮想通貨の法律やコンプライアンスに精通し、政府との交渉を主導してきた経験を持つ。

Brooks氏は、アメリカ社会における仮想通貨に対する理解は、まだまだ非常に希少でニッチなものだと考えられているようだが、実際には、現在、4000万から5000万人の米国人が所有する金融資産であり、銀行は、その市場に対して安全な保管サービスを提供する役割を果たすべきだと主張している。

そして、伝統的な銀行が仮想通貨の導入を前向きに検討する環境を整備するには、OCCが「暗号資産の神秘性を取り除く」ことを目指し、「何が安全で何が安全ではないのか」の基準を明確に示した規制ガイドラインを提供することが不可欠だと、Brooks氏は述べた。

仮想通貨リスクを許容する姿勢の重要性

仮想通貨導入に関して、伝統的な金融機関が最も懸念しているのは、マネーロンダリングなど犯罪行為と仮想通貨の関連性であることが、9月に行われたイギリスの調査で明らかになった。

また、8月には、米国銀行協会が、仮想通貨に関する資金洗浄防止のガイドラインを求める書簡を、OCCに送っている。

仮想通貨が関与した資金洗浄や人身売買などの犯罪行為の割合は、従来の銀行システムを経由したケースを比べて依然として低いものであるとBrooks氏は述べており、大きな可能性を持った新しい技術に対して、リスクを許容する姿勢を持つことの重要性を訴えた。

暗号資産には、これまで開発されてきた技術同様、犯罪に利用される可能性もあるが、同時に経済成長のための途方もない可能性もあると主張し、次のように語った。

「犯罪行為の可能性があるからといって、このような利点を捨て去ることはしたくない。むしろ、我々としては、銀行による革新を支援するため、コンプライアンスのガイダンスを提供したい。」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧