はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

中国当局、テザー(USDT)利用の巨額資金洗浄を取締り

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザー(USDT)を使った違法ギャンブルを取り締まる

中国人民銀行が、国際的なギャンブル活動の取締りについて記事を公開した。その中でステーブルコインUSDTを使った違法活動も事例として挙げられている。

中国本土では、ギャンブルやカジノは違法で、以前よりギャンブル経営には暗号資産(仮想通貨)が広く利用され、資金の追跡を困難にしていると指摘した。

人民銀行によると、ギャンブルサイトは通常、凍結が困難な海外のサーバーを介して提供されとおり、国内のユーザーが中国の資本管理を迂回して海外に送金できるよう、さまざまな方法を採用している。

方法については、SMSやWeChatなどのソーシャルメディアで宣伝を行い、ボーナスポイントや高い勝率でユーザーを誘い、裏で勝率を操作したり、最小限引き出し額を高額に設定して、ユーザーのプレイ時間を長引かせたりすると紹介している。

USDT事例

「典型的な事例の一つ」として挙げられたのが、米ドルとペッグされるテザー(USDT)を使用したものである。

広東省恵州市の人民銀行支店が地元警察に協力、結果的に3つのギャンブルサイトが取締りを受け、USDTを使用して収益の資金洗浄を行ったとして、77人の容疑者が逮捕された。 洗浄金額は、約1億2000万元(約19億円)にも上った。

事件では、銀行振込だけでなく仮想通貨も使用され、複数の層を介してマネロンが実施されていたため、資本の流れを追跡するのは非常に難しかったとしている。

民間銀行に取締り強化を指導

人民銀行は、こうした違法行為を取り締まるための対策についても言及しており、具体的には民間の商業銀行に以下のような事項を指導しているとする。

  • 毎日のリスク監視システムとビッグデータリソースを統合
  • ギャンブルが疑われる取引の監視モデルを確立
  • 違法な取引の特性についてインテリジェント分析
  • アカウントの資金取引のすべての側面を完全に監視

こうした取り組みは成功を収めており、17万を超える不正アカウントの監視や発見が行われたという。

9月には、中国の公安部の高官が、毎年少なくとも一兆元(約15兆5000億円)が中国からギャンブルによって流出しており、その過程で仮想通貨が使われていると指摘している。

中国当局は、非金融機関における決済口座の開設費用を増加させたり、不審取引の確認、口座保有者へ実名を使用することを要求するなど、資金の流出を防ぐために動いているとのことだ。

関連:中国公安部高官、仮想通貨が違法カジノの資金移動に利用と指摘

OTC取引の口座凍結事例も

こうした状況でOTC取引への取締りも強化されており、OTC業者の口座が凍結される事例がみられている。

人民銀行は数ヶ月前より民間銀行と不正取引の取締りで連携を開始したとされており、顧客審査の一環で、仮想通貨OTC取引に関連する銀行トランザクションも対象に入った。

関連:中国のビットコイン取引に暗雲 OTC取引業者で銀行口座凍結事例──中銀が資金洗浄対策を強化

人民元からUSDTなどへ変えるための主要経路としてのOTC取引は、仮想通貨取引所が法律で禁止されている中国国内では、仮想通貨取引を支える重要な経路となっており、影響も懸念されているところだ。

The Blockの報道によれば、仮想通貨OTCトレーダーが、マネーロンダリングの捜査に協力するために警察に拘留される例もあるという。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧