BlockFiがGBTCのクジラ
暗号資産(仮想通貨)貸付サービスを提供するBlockFiが、グレースケールで提供されるビットコイン投資信託「GBTC」の大口保有者になったことが判明した。
SECに提出された定期報告書によると、BlockFiは10月16日にGBTCを購入した。新たに購入したGBTCの株数は計24,235,578で、現物のビットコインに換算すれば24,235.578BTC(3.3億ドル≒340億円)に相当。GBTCの5.07%を保有することになり、大口保有者に仲間入りした。
グレースケールのGBTCは機関投資家や大口投資家が中心に利用する商品。1GBTCは0.0001BTCに相当し、新規発行にあたり、該当する数のBTCをグレースケールに預ける必要があるため、市場も好感する要因になる。
BlockFiのCEOを務めるZac Prince氏は発表でGBTCの大量購入について、「GBTCは我々の提供する仮想通貨融資に関連する投資機会を与えてくれる。大量に購入したことでBlockFiの顧客とGBTCの市場にも価値を付加することができるようになる」とコメントした。
GBTCの現状
グレースケールのGBTCは現在計467,000BTCを保有している。その数は、流通するビットコインの2.5%を占める規模に相当する。
今年の6月には、シンガポールに拠点を置く仮想通貨ヘッジファンド「Three Arrows Capital」は当時GBTC全体の6.26%を保有し、20,230BTCに及んだが、今回BlockFiの投資規模はそれを上回った。
また、10月15日には16,900,600のGBTC株が新規発行されるなど、機関投資家による需要も高い状況が見て取れる。背景には、今年の1月よりSECの報告企業として登録されたため、商品の正当性と信頼性がより高まったなどがある。
以下GBTCの日平均出来高
グレースケールとは
公式サイトに「デジタルゴールド時代の好機」のキャッチコピーを掲げるGrayscale Bitcoin Trustは、世界最大のデジタル資産運用会社。主に機関投資家からの需要を背景に、60億ドル(約6,800億円)規模の運用資産を保有している。
2013年に設立されたGrayscale Investmentsは、デジタル通貨を主な投資事業とするDigital Currency Groupの子会社で、金融の中心地である米ニューヨークに本社を置き、そのほかの顧客は、ヘッジファンドやファミリーオフィス、年金、基金、適格投資家が含まれる。
「Grayscale Bitcoin Investment Trust」は、市場価格をベンチマークとする投資信託であり、投資対象をビットコインのみとした初の証券だ。とりわけ需要が高いのが、オープンエンド型投資信託の「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」である。ほかにもイーサリアムのETHEなど、アルトコインの投信も提供している。
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