流出したビットコインが移動
9月に暗号資産(仮想通貨)取引所KuCoinから流出したビットコインが移動したことがわかった。ブロックチェーンデータ分析企業Ellipticが報告した。
KuCoinは9月26日に発生したハッキング被害で、推定2.8億ドルほどに上る複数の仮想通貨資産が流出。これまでセキュリティや連携措置を取り、一部の資産凍結に成功している。
10月上旬の動向では、業界との連携で流出した2.8億ドル分の仮想通貨のうち、すでに2.04億ドル分の資産を凍結できたとCEOが伝えている。しかし、凍結を避けるために取引所のアドレスに送っていない一部の資産は未だハッカーに関連したアドレスが保有している状況にある。
今回Ellipticが検出したのは、流出した1,008BTC(1300万ドル)のうちの425BTC(560万ドル)。Ellipticの共同創設者のTom Robinson社がTheBlockに話したところによると、ハッカーは今週の月曜日から、仮想通貨ミキシングサービス「ChipMixer」を利用し、425BTCの「資金洗浄」を試みている。
仮想通貨のミキシングサービスは、主に監視や追跡の目から送受信情報を隠すことができる仕組みで、プライバシー強化のほか、犯罪者が不正資金の取引データを追跡不可能にすることなどでも悪用されている。マネーロンダリングの温床になるとして、米国の法執行機関などを中心に取り締まる動きも出てきている。