ビットコイン、高値更新続く
13日の仮想通貨市場でビットコインが日本円建170万円台に乗った。
米ドル建で昨日16,000ドルを突破するなど、BTC市場では連日の年初来高値の更新が続いており、最高値更新も現実味を帯びつつある。
米PayPalが13日、仮想通貨の売買サービスを正式に開始したことを伝えた。まずは、売買機能のリリースからスタートし、2021年にはペイメントサービスVenmoも通じたグローバル展開や仮想通貨決済サービスの提供も予定する。
世界に3億4000万人の利用者をもつPayPalが仮想通貨の包括的な一般向けサービスを提供することで、投機的な取引以外でグローバルな利用が広がるとして、ビットコインが買われた。
実際に、新規参入組に相当する仮想通貨業界外の一般投資家の関心度が最も高まったのは、17年末の仮想通貨バブル時だが、現在の関心度のデータと比較すると大きく開きがあり、投資資金の資金流入には余剰余地があるとの見方が強い。
関心度を示すGoogleトレンドのデータでは、2017年末のバブル相場時に確認された検索数(グローバル:Bitcoin 検索)のピークを100とすると、現在は約20%と低水準で推移する。
半減期での供給減のほか、企業等の投資事例も相次ぐなかで、中長期的には過去最高値更新が視野に入るとの見方が強いひとつの理由だ。(機関投資家の関心高とリテール投資家の参入余地)
機関投資家の取引が中心にあるCMEのビットコイン先物のデータも、機関マネーの流入を裏付ける。
CMEのビットコイン先物の建玉は先週、過去最高値付近の9億ドル台に乗った。10月以降、右肩上がりに増加したことを受け、先月比では約170%増の水準に達している。
ビットコイン先物取引全体では、主要取引所の合計建玉は80億ドルを超え、過去最高を記録している。
なお、日足のRSIなどは相場の過熱状態を示唆しており、連騰後の反動安リスクも徐々に増している点には警戒したいところだ。
FoxBusinessの見解
米大手テレビネットワークの経済チャネルFoxBusinessもビットコインの16,000ドル突破の内容を取り上げた。
米コインベースのデータを引用し、ビットコインが年初来123%高で、現在の四半期で切り取った場合も50%高と高い上昇率を記録していると紹介。各主要資産との年初来パフォーマンス(10月22日時点)の比較を掲載し、パフォーマンス順に、ビットコイン、ゴールド、ナスダック、米10年債券、S&P500と続くデータをMarketWatchのツイートを引用して掲載した。
Year-to-date asset performance:
— Cryptowatch (@cryptowat_ch) October 22, 2020
+ 80% : #Bitcoin
+ 29%. : Gold
+ 28%. : Nasdaq
+ 15% : US 10-year Treasury
+ 6% : S&P500
– 3% : Dollar Index
– 36% : Crude Oil
ビットコインの高いパフォーマンスの要因については、ブロックチェーン弁護士のJoseph Guagliardo氏はFoxBusinessの見解として、今年の新型コロナ感染拡大が大きなターニングポイントになったと指摘。コロナ禍で加速した中央銀行の金融政策がビットコインをインフレのヘッジ手段として意識させているとした。
また、ビットコインの基盤技術となるブロックチェーン技術も開発期から成熟期に移り変わりつつあるとして、投資家にとってより魅力的な投資先になりつつあると指摘した。
「コロナや金融政策などで最悪の事態となっている。今後は仮想通貨とブロックチェーンの採用を拡大させる力になる。」
イーサリアムについては、広範囲で実用化が進んでおり、17〜18年のバブル相場と比較して、大きく成長してきていると紹介している。
関連:ひどく強気なビットコイン相場、見え隠れする富裕層の存在