はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

デジタル・ルーブル導入のリスクは? ロシア中銀がヒアリング開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「中央銀行だけがデジタル通貨を管理するのは問題」

ロシア中央銀行が、同国の主要銀行と会合を開き、デジタル・ルーブルの導入見通しや、その長所と短所について話し合ったことが判明。

中央銀行の代表としてOlga Skorobogatova副総裁が出席し、ロシア貯蓄銀行、VTB銀行、ガスプロム銀行、モスクワ信用銀行(MCB)、郵便銀行、ロシア標準銀行など主要銀行の代表者が参加した。

特に市中銀行の懸念は、デジタル・ルーブルの実装方法を巡るものだった。選択肢としては、まず中央銀行がそのプラットフォーム上でユーザーのウォレットを開設して決済を行うモデルがある。

また、規制当局が商業銀行に向けてウォレットを開設した後に、商業銀行が一般ユーザー向けにウォレットを提供し、決済を実行するモデルも挙げられている。

しかし前者のモデルでは、規制当局がすべての手順を行うために、市中の銀行が介在する余地がほとんどなくなってしまうという。会議に参加したロシア標準銀行のAlexander Samokhvalov取締役会長は、商業銀行はそのためのインフラをすでに備えているとして「銀行がサービスを提供する後者のモデルを支持する」と表明した。

このモデルを採用すれば、銀行セクターから流動性が流出することは回避され、またユーザーも使い慣れたインターフェースを使用し続けることができるという。中央銀行がデジタル・ルーブルの管理をすべて行うと、一般の商業銀行に対して取り付け騒ぎが起こり得ることも懸念している。

技術的なリスクも指摘

また技術的な側面としては、デジタル・ルーブル決済をAndroidまたはiOSなどのスマートフォンを使用して行うことは安全ではないという声も挙がった。

情報セキュリティサービスを提供するロシア企業RuSIEMの技術責任者Anton Fishman氏によると、AndroidおよびiOSのファームウェアには、一部の機能をリモートで管理する機能があるため、制裁措置などにより、ロシア人の電子ウォレットがブロックされるリスクもあるという。

会議の出席者からは、デジタル・ルーブルについてさらに詳細な情報を聞きたいという声も挙がった。ロシア中銀は、近い将来ロシア銀行協会などでも同様の会議を開催し、その後に下院でデジタル通貨についての議論を開始する予定だと述べている。一連の会合を開いて、金融業界の関係者からヒアリングを行い、プロジェクトを進めていく上で考慮に入れる姿勢が窺える。

「デジタル・ルーブル発行は非常に現実的」

10月、ロシア中央銀行はデジタル・ルーブルの発行について「非常に現実的」と語っており、そのテストを2021年末から開始する可能性についても言及した。

構想としては、紙幣を廃止することは計画しておらず、デジタル・ルーブルは、現金と、非現金貨幣に加えて、第三の貨幣形態となる可能性があると話した。

関連: 「デジタル・ルーブルの発行は現実的」ロシア中銀2021年末にCBDCテストか

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧