「カード決済でビットコインをキャッシュバック」
暗号資産(仮想通貨)貸付サービスを提供するBlockFiが、Visaクレジットカードを発行することが判明した。決済額に対してビットコイン(BTC)で報酬が還元されるクレジットカードを展開する。
現在はウェイティングリストへの登録を受け付けており、2021年春よりユーザーへの発送を開始する。当初は米国のみで利用可能だが、将来的には他の地域にも拡大する姿勢であることを示した。
BlockFiは米ニュージャージー、イギリス、シンガポール、アルゼンチン、ポーランドにオフィスを構えており、そのプラットフォームでは、20億ドル(約2085億円)を超える資産が管理されている。
同カードを介したすべてのトランザクションに対して、ビットコインで一律1.5%がキャッシュバックされる仕組みだ。また、最初の3か月で3000ドル(約31万円)以上のカード決済を行うと、ビットコインで250ドル(約2万6000円)のボーナスが付与される。カードの年会費は200ドルのため、差分で50ドル分還元される計算だ。
還元されたビットコインは、ユーザーのBlockFiアカウントに自動的にデポジットされ、貸し出し、取引、借り入れの担保、さらに外部ウォレットへの引き出しなど、さまざまな目的に使用できるようになる。
またカードには、BlockFiプラットフォーム内外での特典や機能なども順次追加していく予定だという。
BlockFiのCEO兼創設者Zac Prince氏は、次のように述べた。
当社の製品スイートにクレジットカードを追加し、より幅広い消費者がビットコインにアクセスできるようになることを嬉しく思う。このカードを使用すると、消費や投資の習慣を変えることなく、新しい資産クラスへのエクスポージャーを簡単かつリスクなしで獲得することが可能となる。
Visaは仮想通貨企業への間口を拡大
今回のクレジットカード立ち上げとその後の展開を促進するために、BlockFiはVisaの提供する「ファストトラックプログラム」に参加した。これにより、Visaプラットフォームとの統合プロセスをスピードアップし、Visaが提供するネットワーク、機能、セキュリティをより簡単に活用することができる。
Visaは、仮想通貨分野への事業拡大と同時に、Visaの基盤を活かした迅速な事業立ち上げを支援する「ファストトラックプログラム」の範囲を広め、より多くのフィンテック企業が参加できるようにした。
仮想通貨関係ではこれまでにも、決済サービスCrypto.comや大手オンライン取引プラットフォームeToroが、パートナーとして承認されている。
ウォレットプロバイダーZenGo、大手仮想通貨取引所コインベース、P2P取引所Paxfulなど様々な仮想通貨企業もすでにVisaカードを発行しており、Visaは仮想通貨ウォレットに保管されている仮想通貨を使ってVisa加盟店で決済を可能にするサービスを25社と提携して行っている。
VisaのAlfred Kelly CEOは米メディアCNBCのイベントの席で、仮想通貨の将来性を語り、取引の対象となるコモディティではなく、決済手段としての仮想通貨に注目していると話した。
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