二つのファンドで150億円調達
米投資企業「New York Digital Investment Group(NYDIG)」が2つの仮想通貨関連ファンドで計150億円を調達したことがわかった。
証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、ビットコインのみに投資する「Fund I」では投資家(2クライアント)から50億円を調達し、「Fund II」は投資家(1クライアント)から100億円を調達している。Fund IIはビットコイン以外の銘柄にも投資する可能性があるが、両方とも仮想通貨の購入を目的としている。なお、巨額の資金を投資したのが超富裕層の個人か機関投資家かは、明かされていない。
NYDIGはウォール街で名の知られた企業だ。大手資産運用アドバイザー企業ストーン・リッジ・アセット・マネジメントに関係性を持つ。また、NY州の仮想通貨事業者許認可「ビットライセンス」考案者Ben Lawsky氏はストーン・リッジの規制関係責任者としても務めており、NYDIGにも法的知見を提供していた。ウォール街金融および規制当局との関係性も厚く、法に則った仮想通貨領域のビジネスを幅広く手掛けている。
NYDIGが現在提供するサービスには、仮想通貨のカストディや投資、ブローカー等サービスをヘッジファンドや年金基金、銀行などの機関投資家や富裕層サービスがある。
今回の2つのファンド資金調達も機関投資家や富裕層がビットコイン・仮想通貨への投資を拡大しつつある状況を反映している一例だ。業界有識者や伝統金融機関も、2020年のビットコインの強気トレンドを機関投資家や大口投資家が主導する相場とみなしており、個人投資家中心のマネーで形成された2017年の仮想通貨バブルと相違点を指摘している。
関連:ブラックロックCEO「ビットコインはグローバルマーケットになり得る」