リップル社CEO、国外移転は一旦保留か
米大手メディアCNNのインタビューにて、米リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが仮想通貨を取り巻く環境について答えた。
Part 2 with @bgarlinghouse CEO @Ripple –
— Julia Chatterley (@jchatterleyCNN) December 2, 2020
More on regulatory clarity; what it means for #Ripple US customer base & growth, plus what traditional investing says about #crypto asset diversification. $XRP pic.twitter.com/xbju427Fg2
不透明な規制について
「米国は、仮想通貨規制の明確化において、英国やシンガポール、日本などのG20加盟国に遅れをとっている。」との認識を示し、「20年前にインターネット規制を明確化したことで投資家を招致しやすくなり業界が発展、世界的企業に成長したアマゾンやグーグルの台頭に至った」と指摘した。
規制の明確化は、米国企業の新テクノロジー採用に繋がり、ブロックチェーン業界において米国企業が活躍する土壌形成に貢献すると期待するガーリングハウス氏だが、米国の規制の遅れが、ブロックチェーンなど新たなテクノロジー革命で遅れをとる要因となっていると警鐘を鳴らした。
このような現状を受け、米国に本拠を構えるリップル社は、クライアントの95%が米国外となっている。対照的に、英国、アラブ首長国連邦、スイスでは、「企業がブロックチェーン技術を支援しやすい環境にある」と述べた。
国外移転の可能性について
10月のインタビューでは、XRP証券問題など規制面の不透明さを背景に米国外へ企業移転も辞さない姿勢を示していたが、11月の大統領選挙でバイデン政権に変わる影響を見極めるため、国外移転は一旦保留する方針を示した。
気候変動や環境保全を主要政策に掲げるバイデン新政権は、仮想通貨(暗号資産)領域でも規制当局による促進が見られるかもしれないと述べ、「今後2年以内に、米国でも規制の透明化が図られるのではないか」と期待した。
Flare Networkについて
リップル社が出資し、XRP保有者へのエアドロップを控えるFlare Networkについても言及。
「Sparkトークンを用いるエキサイティングなスタートアップ企業だ」とし、XRPが効率的なデジタルアセットである点を強調するさらなる事例となり得ると説明した。
リップルネットやODLを活用する顧客とは大体的に異なる点を明記しつつ、以下のようにコメントした。
多くの人々がFlareに期待感を持っている。私自身Flareの事業は非常に楽しみだ。
エアドロップという興味深いニッチを見出しており、前向きに期待している。
なお、Flareとリップルネットとのプラグの可能性については「現時点で発表するものはない」とした。
今後の展望
最後にガーリングハウス氏は、アマゾンが設立当社は「本」のみを取り扱い方事業領域を拡大していったように、リップル社の将来的な目標は「価値のインターネット」の形成であると説明。ブロックチェーンによる保険サービスの効率化などを例に挙げ、長期的には送金分野のみならず、幅広い分野で様々なユースケースが考えられるとした。
米国内での規制明確化を踏まえ、「今後2年以内に上場している可能性が高い」と前向きに姿勢を示した。