はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「ビットコインは21年に4万ドル到達し得る」米ブルームバーグ、マクロ要因など分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ブルームバーグ誌は、毎月発行する「Crypto Outlook」レポートの12月号を配信し、データ分析などを基に2021年のビットコインのパフォーマンス予想を展望した。

レポートでは、決済大手PayPalの仮想通貨サービス提供開始や、仮想通貨(暗号資産)の先物市場、グレースケール社の投資信託(GBTC)などの影響により、機関投資家の大規模な資金流入がカギとなった年だと指摘。その上で、マクロ的要因とテクニカル分析、BTC供給量の減少(半減期)を考慮し、2021年の価格予想を示した。

ブルームバーグの分析によれば、21年のビットコインのサポートラインは10,000ドル(103万円)、レジスタンスラインは50,000ドル(520万円)の幅広いレンジを想定。マクロ要因を加味して、40,000ドル(420万円)の到達は妥当な水準だとしている。

2013年からのビットコイン時価総額推移を基にした回帰分析では、2022年の時価総額は1兆ドル(100兆円)に到達し得ると算出しており、同水準のBTC価格は、およそ55,000ドル(570万)だという。

機関投資家の需要

強気予想の要因として挙げたのが、仮想通貨関連の金融派生商品(デリバティブ)などへの需要上昇だ。

なかでも、機関投資家の関心を集める米グレースケールの投資信託「GBTC」における運用資産額は、2020年初頭の20億ドル(2000億円)から100億ドル(1兆円)規模まで大幅に拡大。CMEビットコイン先物取引の建玉は、2019年の1億2000万ドル(125億ドル)から20年は10億ドル(1000億円)まで急増した。

ボラティリティ

ポジティブ要因として次に挙げたのが、低下傾向にあるビットコイン・ボラティリティ(価格変動性)だ。

高ボラティリティが代名詞とも言える仮想通貨市場であるが、ブルームバーグの分析によると、米NASDAQ株式市場とBTC市場を比較した、260日足の価格変動率は、12月2日時点で過去最低水準の「1.8」を示した。

ビットコインのボラティリティ低下は、その後の価格上昇につながる傾向にある。2015年に過去最低水準まで価格変動率が落ちた後、2017年末にかけてあらゆる仮想通貨が10倍以上に高騰する”バブル”が訪れた。

さらに、ブルームバーグのBTCボラティリティの回帰分析によれば、「次の半減期を迎える2024年に、BTCの価格変動率は金(Gold)と同水準になる」可能性がある。高い流動性及びボラティリティの安定性は、市場の健全性を担保することから、より資金力の豊富な機関投資家の参入を促がすことになる。

大規模金融緩和による甚大な影響

多くのアナリストやエコノミスト(経済学者)らが指摘するように、株式市場やビットコイン市場のリスク選好姿勢に拍車をかけたのは、新型コロナの世界的蔓延に伴う大規模金融緩和策の影響が最大要因として挙げられる。

とりわけ、「量的緩和(QE)」や銀行における「マイナス金利」の影響は大きく、世界経済を支えるための代償として、世界の基軸通貨である「米ドル」は大量増刷でその価値を犠牲にした。そのような状況下におけるインフレーション耐性は、ビットコインの大きなポジティブ要因としている。

各国の国内総生産(GDP)比の債務は上昇傾向にあり、「現代貨幣理論(MMT)」への関心も急速に高まる。米企業によるドル保有高や、他国のドル建て外貨準備高もインフレリスクに晒されることから、ヘッジ手段として代替資産性のある金やビットコイン市場への関心は、今後 ますます高まることが予想される。

供給量減少と希少性

また、半減期に伴う供給量の減少もプラス要因として挙げた。

中央政府や銀行の意思を反映して発行可能なドルや日本円など法定通貨とは対照的に、ビットコインは最大発行数2100万枚と定められており、4年ごとに新規発行量が減少する「半減期」の影響で希少性に拍車をかける。次の半減期が訪れる2024年には、BTCの年間新規発行量は1%になる計算だ。

すでに現在、グレースケールの投資信託を筆頭に、米決済大手PayPal、CashAppなどがビットコイン買い進んでおり、一時新規採掘量分を上回るなど、需給面からも価格を押し上げていると言える。

関連ビットコインが供給不足の状態へ PayPalなどで新規採掘量上回ると推定=Panteraキャピタル

参考:Bloomberg

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/14 金曜日
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
16:46
Aptos Labs CBOが語る日本戦略|独占インタビュー
Aptos Labs CBO Solomon Tesfaye氏独占インタビュー。日本の大手金融機関との協議、ステーブルコインUSD1の展開、グローバル戦略を語る。
16:32
ビットコインのみ投資へ 欧州初のルクセンブルク国家ファンドがETF経由で1%配分
ルクセンブルク財務相が、国家ファンドFSILが他の仮想通貨ではなくビットコインのみに1%配分したことを明言。欧州初の国家レベルでのビットコイン投資となる。
15:06
ヴィタリック、分散化の原則を強化する「トラストレス宣言」を発表 中央集権化に警鐘
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏らが「トラストレス宣言」を発表。検証可能性や検閲耐性など6つの核心要件を定義し、利便性優先による中央集権化リスクに警鐘を鳴らした。トラストレスこそがイーサリアムの本質であり、信頼できる中立性を達成する唯一の方法だと強調している。
15:06
JPYC、米サークル社オンチェーンFX網のパートナー通貨に採択
JPYCが米CircleのオンチェーンFX網「StableFX」で日本円パートナーに採択。USDCとの即時交換に対応し、国際送金・決済インフラで円建てステーブルコインの役割が拡大する見通し。
13:35
日本円ステーブルコインJPYC、発行額2億円突破
JPYC株式会社は、日本円建ステーブルコイン「JPYC」の累計発行額が2億円を突破したと発表。正式発行から約18日間での達成。保有者数は約3.1万人に達し、JPYC EXの口座開設数も6,000件に到達した。
11:57
「ビットコイン、株高に反応鈍く下落時は増幅」Wintermuteが非対称性を指摘
Wintermuteの最新レポートによると、ビットコインはナスダック指数と0.8の高相関を維持するも、株高局面で反応が鈍く下落時のみ敏感に連動。この負のスキューは2022年以来最高水準で、通常は市場底値圏で見られるパターン。資金の株式市場シフトと流動性低下が背景に。
11:49
大手銀BNYメロン、ステーブルコイン準備金のためのMMFを立ち上げ
大手銀BNYメロンがステーブルコイン発行者向けのマネー・マーケット・ファンド「BSRXX」立ち上げを発表。ジーニアス法対応の準備金ファンドとなる。
11:04
21シェアーズ、仮想通貨指数ETF2本を米国上場 投資会社法適用は米国初
21シェアーズが投資会社法(1940年法)準拠の仮想通貨インデックスETF2本を米国で上場。TTOPとTXBCは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど主要デジタル資産への分散投資を提供。機関投資家向け「ゴールドスタンダード」のETF構造を採用。
10:33
ビットコインが今月3度目の10万ドル割れ、フラッシュクラッシュ後の資金戻り鈍化
ビットコインは今月3度目となる10万ドル割れを記録し、低調な値動きが続いた。背景には、FRBが利下げに慎重な姿勢を示していることに加え、東証などを運営する日本取引所グループ(JPX)が仮想通貨トレジャリー企業に対して規制を示唆する報道が流れ、市場心理を冷え込ませたことが挙げられる。
09:54
グレースケールのIPO登録書類が公開 トランプ政権下で上場申請続く
仮想通貨資産運用企業グレースケールは、IPO登録届出書を米SECに提出。市場が構築されれば株式のトークン化も検討していく意向を示した。
09:32
米国でXRP現物ETF上場、初日取引高は90億円を記録
カナリー・キャピタルの仮想通貨XRP現物ETFが米国で上場。初日取引高90億円を記録した。2025年に上場したETF中でトップの数字となった。政府機関再開でさらなる承認も期待される。
09:18
チェコの中銀、試験的にビットコインを購入
チェコの中央銀行は、歴史上初めてデジタル資産を購入したと発表。購入したのは仮想通貨ビットコインで、他にも米ドルステーブルコインとトークン化預金も保有すると説明している。
11/13 木曜日
18:07
台湾中銀、ビットコインの国家準備資産化の「研究」へ
台湾の立法委員がビットコインを国家準備資産に組み入れる提案を行い、中央銀行が研究姿勢を示した。米国やブータンなど各国で進むビットコイン戦略的保有の動向と、エルサルバドルの事例から見る課題を解説。
17:48
メタプラネット、第3四半期決算でビットコイン評価益206億円を計上
メタプラネットの2025年12月期第3四半期決算発表。BTC保有量30,823枚に到達し目標前倒し達成、インカム事業過去最高売上。純利益135億円計上、1億ドル借入で追加取得へ。優先株活用の新戦略で普通株希薄化回避、2027年21万BTC目標を掲げる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧