はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

マウントゴックス元CEO:10億ドル以上の資産獲得は「不愉快な結末」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マウントゴックス元CEOがreddit上でコメント
マウントゴックス元CEOマルク・カルプレス氏は、「マウントゴックスの株主が16万BTC以上を持ち去るのは不愉快な結末だ。私はそんなことは望んでいないし、この10億ドル(約1,000億円)を欲していない」と発言しました。
マウントゴックス事件の流れと現在問題になっている点
マウントゴックス社は2018年3月5日時点でビットコインとビットコインキャッシュをそれぞれ約16万BTC、BCH(現在の相場で約1200億円以上)を保有しています。前回400億円以上の資産が放出されたことで仮想通貨市場に影響を与えた可能性があるため、この資産の行方が注目されています。

マウントゴックスCEOがreddit上でコメント

昨日、マウントゴックス元CEOマルク・カルプレス氏がreddit上でコメントを残しました。

同氏は日本の破産法の仕組み上、債権者への支払いが完了後に残った資産は株主へ分配されると述べ、そのことについて以下のように言及しました。

「マウントゴックスの株主が16万BTC以上を持ち去るのは不愉快な結末だ。私はそんなことは望んでいないし、この10億ドルを欲していない」

この発言に対し、多くのユーザーはマウントゴックスの管財人が大量のBTCを売却したことなどに触れ、批判しています。

マウントゴックス事件について

2014年に起こった、コインチェック事件が起こるまで、最大の流出事件だったのがMtGox社事件です。

当時、ハッキング攻撃を受けて、保有していた85万ビットコイン(当時相場で480億円相当)が盗まれました

その影響を受け、MtGox社は破産、速やかに顧客への補償が行われたコインチェックとは異なり、現時点でも顧客への補償の目処はたっていません。

そんなMtGox社の周囲で、ここ数か月にわかに信じられないような話題が持ち上がっています。

それは依然としてマウントゴックス社が(現在の仮想通貨市場価格で)1200億円超ほどの資産を有していること、そして2017年12月200万円台まで高騰したビットコイン急落の影響はMtGoxの破産管理財団のある行動に影響を受けているのではないか、と言われているのです。

仮想通貨市場の暴落続く:下落原因5選まとめ
仮想通貨全体の価格が暴落しています。ビットコインの価格は、6日時点で125万円と最安値から約2倍の価格に到達後、反落しJPY/BTCを扱う日本取引所の中でも100万円を切る取引所も確認されました。下落原因を考察します。

当事者である、元CEOマルク・カルプレス氏の現在やこの騒動で話題になった、MtGox社の管財人を務める小林信明氏がどのような人物であるのかといった点からこの問題をみていきたいと思います。

カルプレス氏の経歴

MtGox社のCEOを務め、プログラマーでもあるマルク・カルプレス氏はビットコインの創設期から仮想通貨業界に関わっています。

仮想通貨取引所運営による膨大な利益

ビットコイン創設期に携わった人間の中には主に、仮想通貨の基幹技術ブロックチェーンによってもたらされる未来に魅力を感じたグループと投資資材としての魅力を感じたグループがあると言われています。

マルク・カルプレス氏やアメリカで最大規模の取引所であるCoinbaseの創設者であるBrian Armstrong氏は後者に当たり、取引所を運営莫大な資産を得るようになります。

Brian Armstrong氏は、フォーブス氏が算出した仮想通貨億万長者番付6位としてランキングされ、推定ではありますが10億ドル(約1100億円)ほどの資産を有しているとされているのです。

彼らが大規模な仮想通貨取引所を運営したことにより、仮想通貨の取引が容易になり市場規模が拡大したことは紛れもない事実でしょう。

マウントゴックス事件後の流れ

カルプレス氏が運営していたMtGox社は、比較的初期に設立された仮想通貨取引所ということもあり、事件が起こるまでは世界最大規模の取引量を誇っていました。

ただ、2014年に80万ビットコイン(当時480億相当)がハッキング攻撃により流出、20万ビットコインは取り戻しましたが、これだけでは顧客の資産を補償することができず、結果として破産することとなりました。

MtGox社が日本に拠点を置いていたということ、そして会見を行うカルプレス氏の姿が話題になり、日本国内でも仮想通貨に興味がある人以外にも仮想通貨が広まりました。

ただ、この時の影響で仮想通貨=怪しいという図式が仮想通貨を詳しく知らない層に広まったことも事実でしょう。

破産に向けた会見ののち、流出が明らかになる以前から断続的にMtGox社からビットコインが失われていたこと、カルプレス氏が自身でビットコイン手を付けていたのではないか、つまり横領したのではないかなど様々な憶測が飛び交いました。

その後実際に自身の口座水増しや、横領の疑義によって起訴され、事件から4年たった現在でも公判は続いています。

一貫してカルプレス氏は無罪を主張していますが、依然として事件の全貌は明らかになっていません。

カルプレス氏は現在、社長業を退き、プログラマーとして一般企業に勤めているようです。

事件の進展がBTC価格に影響

その後、MtGox社の管財人を務める小林信明氏が、2017年の9月から断続的に保有していたMtGox社が保有していた20万ビットコインそして、それに付随するビットコインキャッシュのうち400億円相当を売りに出していたことが3月7日に東京地裁に提出した報告書で明らかになりました。

この流れが、2017年の年末にかけて起こった、ビットコイン価格の急騰、そして急落の流れに沿っており、価格に影響を与えたのではないかという疑惑が持ち上がりました。

残る約1200億円以上の資金の行方は

MtGox社は、2018年3月5日時点でビットコインとビットコインキャッシュをそれぞれ約16万BTC、BCH分(現在の相場で約1200億円以上)保有しています。

MtGox社は破産申請したとは言え、現在の市場価格の高騰を受け保有資産から補償が可能であると判断した債権者の要望を受け2017年には民事再生手続きの申し立てをしたばかりです。

現在市場価格が1200億円以上になっているこの資産の行方にも注目が集まっています。

なぜなら、現状2014年のハッキング被害の補償が十分に可能(損失額は当時相場で480億円相当)だからです。

問題はそれだけではありません。

現在MtGox社が認められている破産手続きでは、当時の法定通貨分しか支払いがなされません。

つまり失った分のビットコインが返ってくるわけではないのです。

こうなると補償後その余剰となった資産はカルプレス氏など経営陣の手に渡ってしまう可能性があるのです。

カルプレス氏自身はこうした注目の高まりを受け、上記でも触れた通りredditを通じて自身の思いを伝えました。

そこには日本の破産法の仕組みと、自身がこの莫大な富を保有するつもりはないこと、顧客への返済を第一に考えていることがつづられています。

しかしながら、破産時の対応、現在まで補償が完了していないことから、MtGox社、そしてそのCEOであったカルプレス氏への風向きは強くなっています。

redditでも多数の批判的なコメントが寄せられました。

破産管理財団の小林氏とは

そんな事件の影響を受けているのは何もカルプレス氏だけではありません。

破産管理財団の管財人を務める弁護し小林信明氏にもその火の粉は降りかかっています。

小林信明氏は中央大学法学部卒の弁護士で、企業の再生や倒産に関する案件を中心に腕尾振るう弁護士です。

今回の一連の売却はあくまで、債権者や破産申請、民事再生手続きの申請を受け付けた東京地裁との協議によるもの、あくまで業務の一環になっています。

ですが、2017年9月から2018年3月8日にまで行われたMtGox社の債権者補償のために設けられた資産売買の流れが、ビットコイン価格の高騰、そして急落の流れに沿っており、ビットコインの価格に影響を及ぼした人物として注目を集めるだけでなく、批判の対象となってしまっています。

小林氏自身は市場への影響を否定していますが、400億規模の売買は市場に影響を与えたと考えられてもおかしくないほどの規模です。

このことが市場に与える影響は今のところわかりませんが、投機目的のユーザーが多い仮想通貨市場で、大規模な資金流出が何らかの影響を与える可能性はゼロではないでしょう。

MtGox事件の補償はどうなる?

このような状況にあるMtGox社は、繰り返しになりますが、現時点でしっかりと顧客に補償が行われているわけではありません。

依然として見通しの立っていない状況に変わりはないのです。

資産について公開されたときの今回のような紛糾もこうした補償への道筋が不透明であることに由来しているでしょう。

これまでに明らかになっている情報によれば資産を放出して顧客の補償に充てていくであろうことが予想されます。

こうなると、日本円で資産は戻ってきますが、失われた分のビットコインは戻ってきません。

その一方でMtGox社が民事再生手続きを申請していることも事実です。

この民事再生手続きの申請が認められるかどうかが、今後の補償手続きの流れを決めるでしょう。

ビットコイン創設期の取引所、そしてそれを運営していたカルプレス氏の今後を注目して見守っていく必要があります。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧