はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米議員ら、デジタル証券の取扱い巡り「規制の明確化」求める

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECにカストディ要件の明確化を促す

米連邦議会の複数の議員が、証券取引委員会(SEC)に、仮想通貨(暗号資産)企業がブローカーディーラーのライセンスを取得する際の障壁となっている、デジタル証券(注1)に関するカストディ要件の明確化を求める書簡を送ったことがわかった。

ジェイ・クレイトンSEC委員長に宛てた12月9日付の書簡では、SECがデジタル証券のカストディに必要な条件を策定し、金融取引業規制機構 (FINRA) が、要件を満たすブローカーディーラーを承認できるよう求めている。超党派から成る9名の議員は、今年7月に米通貨監督庁(OCC)が発表した、規制に準拠した銀行による仮想通貨のカストディサービス提供を許可するガイダンスに言及。OCCの前例に倣い、次のような三つの具体的な措置を講じるようSECに促している。

1. 銀行が、デジタル証券のカストディ業務に従事することが可能であると明言すること

2. ブローカーディーラーが、顧客および自己勘定のカストディ業務を行うための要件について、FINRAに助言すること

3. デジタル証券のカストディ要件を満たすブローカーディーラーの申請を承認するよう、FINRAに指示すること

注1:ブロックチェーン/分散型台帳上で発行された有価証券、及び分散型台帳ベースで表された従来の有価証券

SECによるガイダンスの欠如

昨年6月には、長期間にわたりブローカーディーラーとしてFINRAからの承認を待っている企業が40以上も存在することが報道された。

これを受けて、SECとFINRAは翌月、共同声明を出し、承認が滞っている主な要因として、秘密鍵の管理や不正送金への対処など、仮想通貨の特異性による投資家保護面での懸念を強調した。

しかし、その後もSECは、FINRAがデジタル証券を扱うブローカーディーラー登録を承認するために必要なガイダンスを提供しておらず、議員らは書簡で「米国のデジタル証券業界の進展を阻害する恐れがある」と非難している。

SECからの明確な指導がないため、FINRAはデジタル証券の保管を含むブローカー・ディーラーの申請を全面的に拒否することはしないが、拒否されないが故に、企業は不服申し立てもできない状態に陥っているという。さらに FINRAは申請を何年も放置したり、申請企業に申請の取り下げを求めたりしているということだ。

FINRAの役割

米国のすべての証券会社が加盟するFINRAは民間の自主規制機構だが、投資家保護や証券取引の透明性の確保、不正行為の摘発など、その規制範囲は広い。米国で証券仲介ブローカー業務を行う企業は、FINRAに登録し、認定を受けなくてはならない。

同時に、FINRAは政府機関であるSECの監督下にあることから、SECはFINRAの規制行動に大きな影響力を持っており、規制の方向性を明確にする責任はSECの判断に委ねられている。

議員らが求めているのは、デジタル証券を取り巻く規制の不確実性を解消することだ。

デジタル証券のカストディ要件が明確にされることで、「全ての種類の証券に対する保管体制の統一性と効率性が大幅に上昇し、デジタル証券業界が繁栄するための環境が整う」と書簡は結んでいる。

仮想通貨に対し積極的発言を行う通貨監督庁

一方、銀行の監督者にあたる通貨監督庁(OCC)は、今年5月にトップに就任したBrian Brooks氏のリーダーシップの下、仮想通貨に関するより明確な姿勢を打ち出している。

前述の銀行による仮想通貨のカストディサービス提供に関する発言を皮切りに、9月には、ステーブルコインの準備資産として、銀行が法定通貨を保管することを可能にするガイダンスを発表した。

先月、トランプ大統領に正式にOCC長官として指名されたBrooks氏(現在は長官代理、上院での承認待ち)は、米大手取引所コインベースの最高法務責任者を務めた人物であり、仮想通貨の法律やコンプライアンスに精通している。

同氏は、今月に入り「政府当局はビットコインを禁止する方針はない」と発言している。財務省は「健全なルールを整備」することに注力しており、ビットコインなどの仮想通貨ネットワークに対する政策や方針を明確にすることもその一環であるとの姿勢をとっている。

出典:SECへの書簡

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
12/12 金曜日
16:19
ソラナ公式が「XRP登場」を発表 wXRPが同日ローンチ
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表。ヘックス・トラストもwXRPのソラナローンチを同日発表し、1億ドル超のTVLを確保。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現へ。
15:10
Animoca Brands Japan、ビットコイン分散型金融「Solv Protocol」とMOU締結
アニモカジャパンはSolv ProtocolとMOUを締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT領域で協力を拡大。BTCFi活用による財務戦略の高度化を目指す。
14:57
米CFTC、ポリマーケットなど4社にデータ規制で柔軟対応
米CFTCが予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆2000億円)に達し、急成長が続いている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧