CoinPostで今最も読まれています

米議員が書簡を提出、財務省の仮想通貨ウォレット規制強化懸念で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米議員、ウォレット規制強化の噂に危機感

ブロックチェーン推進派として知られるWarren Davidson議員など4名の米議会議員が、米スティーブ・ムニューシン財務長官に対し、仮想通貨(暗号資産)のセルフカストディウォレットに関する規制案開示と反対の意向を示す書簡を提出した。

規制当局と業界関係者など、ステークホルダーとの連携を求めている。

書簡内容

Davidson議員が公開した2ページにわたる書簡は、財務省が自主管理のウォレットを強化する規制を検討しているとの噂に応じたもので、財務省で現在検討されているウォレットに関する規制案の具体策とその根拠を提示するよう求めている。

米大手仮想通貨取引所コインベースのBrian Armstrong CEOは11月26日、「仮想通貨(暗号資産)のKYC(顧客確認)を完了しない個人ウォレットを取り締まる新たな規制を作る可能性がある」ことを示唆し、大きな反響を呼んでいた。

また世界の金融システムに技術的なイノベーションをもたらすブロックチェーン(分散台帳技術)という新技術へのアメリカの取り組みを阻む可能性があるとして、過度な規制を避けるよう求めた。最悪の場合、米国内での国民によるデジタルアセットのトランザクションの活用が世界各国に比べて遅れをとる構図につながると懸念を示した。

規制当局の懸念

書簡では、規制当局が一般的に挙げる懐疑的な意見や疑いや懸念についても言及した。

仮想通貨の匿名性を犯罪など不当な目的で利用されるリスクについて、犯罪に使われる可能性は法定通貨にも同じレベルで存在すると解釈。しかしほとんどの場合、仮想通貨は違法目的で利用されていないというレポートが多数発表されているとした。(具体例は示されていない)

また仮想通貨技術の匿名性やプライベートな側面に関してはブロックチェーンにオープンで透明性の高いデータとして取引履歴が記録されるため「秘密」ではないと述べた。

デジタルな「キャッシュ取引」

その上で米財務省が懸念していると噂される仮想通貨のウォレットは第三者機関の介入を通さず秘密鍵の保管を可能にするブロックチェーン技術及び分散台帳技術(DLT)の基盤とも言える原則に則った技術と説明。

第三者機関を経ずP2Pでの価値の移動を可能にする技術は言い換えれば「デジタルなキャッシュ取引」と同じであるとした。

このように第三者をなくすことは消費者個人のプライバシー保護とトランザクションの自由を意味することから重要であるとして、反対の例として中国のデジタル人民元を挙げた。

さらに自由参加型のブロックチェーンの性質は銀行サービスをアンバンク層(非銀行利用層)に拡大する可能性を秘めているとして新たなイノベーションの可能性を促進するために過度な規制を避けるよう求めた。

その上で政策立案者の間での連携と透明性を通して規制が規制当局のニーズとデジタル世界における個人の自由を保証するとして議会や業界のステークホルダーと相談が必須であると進言した。

現段階ではあくまで「噂」

今回Davidson議員らが提出した書簡の中で触れた、ムニューシン財務長官がトランプ政権の任期満了前に仮想通貨の「セルフカストディ」(個人)ウォレットに関する規制を強化するかもしれないという噂は、米議会の議員間以外でも話題となっている。

先月末にも米国の大手仮想通貨取引所CoinbaseのBrian ArmstrongCEOをはじめとする業界関係者が仮想通貨の「セルフカストディ」(個人)ウォレットに関する規制強化の噂を懸念視する書簡を提出していた。

しかし現状、財務省からは1月20日に控えるトランプ大統領の任期満了前に仮想通貨ウォレットへの規制をより厳しくする方向は示されていない。Davidson議員やArmstrong CEOもあくまで「噂」(rumor)として言及している点は留意するべきだろう。

9日にも米証券取引委員会(SEC)に超党派の米議員9名らが仮想通貨企業のカストディ事業に関する規制の明確化を求める書簡を提出していた。

参考:プレスリリース

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/07 木曜日
17:00
「Beyond The Price」、未公開内容や過去のまとめを配信
第11回のGM Radio:Beyond The Priceは2日に公開。仮想通貨ビットコインなどについて過去の配信をまとめ、未公開の内容も追加した。
15:00
「ビットコインETF承認は機関投資家を後押しする決定打となる」米ARKのウッドCEO
米ヘッジファンドARK Investのキャシー・ウッドCEOは、米証券取引委員会によるビットコイン現物ETFの承認は、仮想通貨投資を検討している機関投資家に対し、「確定的なお墨付き」を与える可能性があると述べた。
14:30
仏大手銀行がイーサリアムでステーブルコイン「EURCV」を初発行
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムでユーロ連動ステーブルコインEURCVを発行。暗号資産(仮想通貨)取引所Bitstampに上場。入出金時にはKYC(顧客確認)およびAML(資金洗浄防止)コンプライアンス手続きが適用される。
14:20
IEO後に高騰したアイドルトークン「NIDT」の裏側|関係者インタビューvol.1
関係者インタビュー NIDT(Nippon Idol Token)は、web3時代の女性アイドルを創造する「IDOL3.0 PROJECT」の独自暗号資産(仮想通貨)です。 I…
13:55
コインチェックがアバランチの取扱いを開始 
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックがアバランチ取り扱い開始。AVAXの取扱いを皮切りに、クリプト技術を活用し社会や経済に実際の利益をもたらすプロジェクトを支援していく方針を示す。
13:30
サザビーズ、ビットコイン版NFT「Ordinals」のオークション初開催
サザビーズはビットコイン版NFTプロジェクト「オーディナル」作品で初めてのオークションを開催。「BitcoinShrooms」の入札を行う。
12:27
ビットコイン、時価総額で世界9位の資産に 
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが時価総額8,500億ドルを超え世界第9位に。ウォーレン・バフェット率いるバークシャーを上回り、エヌビディアを追う勢い。首位の金(ゴールド)市場の1/16ほどの規模となった。
12:00
カシオからNFT「VIRTUAL G-SHOCK」限定販売
カシオ計算機が「VIRTUAL G-SHOCK NFT」のセールを行う。耐衝撃性を誇るG-SHOCKの未来モデルをバーチャルに再現。限定2000個のユニークなデザインが0.1ETHで登場。ユーザー参加型のオンラインコミュニティが生んだ、先進的なデジタルコレクション。
10:30
米地裁、バイナンスCZ前CEOの有罪答弁を受理
米国地方裁判所の判事は、仮想通貨取引所バイナンスの前CEOであるCZ氏の有罪答弁を受領した。今後、量刑が行われることになる。
10:02
JPモルガンのダイモンCEO「私が米政府にいれば仮想通貨を禁止する」
JPモルガンのCEOは、米公聴会で仮想通貨を強く批判した。ビットコインなどの仮想通貨に強く反対しているとし、もし自身が政府にいれば、仮想通貨を禁止すると主張している。
07:35
Bitcoin Core、最新バージョンをリリース
仮想通貨ビットコインのソフトウェアBitcoin Coreは、最新バージョンv26.0がリリースされた。一方で、OrdinalsやBRC-20トークンの発行ができなくなる可能性が浮上している。
07:20
仮想通貨Worldcoin、分散化目標と助成金プログラムを初公開
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が他のメンバーとともに立ち上げたAI・仮想通貨プロジェクトWorldcoinは、初の助成金プログラムを公開した。開発者の参入を促す狙いだ。
06:30
アマゾン、プライムゲーミングでGods Unchainedのカード配布実施へ
米アマゾンはAmazon Prime Gamingを通じてWeb3カードゲーム「Gods Unchained」と提携し、ゲーム内カードを無料で入手できるキャンペーンを開始した。
06:02
コインベース、Jitoのガバナンストークン「JTO」新規上場予定
エアドロ前に上場発表 仮想通貨取引所コインベースは、ソラナ(SOL)の大手ステーキングプールJitoのガバナンストークン「JTO」の新規上場予定を発表した。JTOはまだ流通して…
12/06 水曜日
16:05
米コインベース関連団体、大統領候補による仮想通貨討論会を開催
米コインベースが立ち上げた仮想通貨の権利擁護団体「Stand with Crypto Alliance」は、米大統領候補による仮想通貨をテーマとした公開討論会を開催すると発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/12/08 12:00 ~ 13:00
その他 オンライン
2023/12/12 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧