ビットコイン巨額投資の米上場企業、「BTC市場連動の株価・ETF説」に反論

MicroStrategy社は投資会社ではない

巨額のビットコイン投資で注目されている米MicroStrategy社のCEOが、「弊社は投資会社ではなく、株式はETFではない」とする発言を行なった。

ビットコイン投資を続けることで、BTC市場に影響する株価の値動きに、マーケットでは間接的なETFとして機能するとした指摘が相次いでいたが、これを否定した。

MicroStrategy は 1940年の投資会社法に基づく投資会社 (IC) ではない。 ICとは、資産の40%以上 (現金および政府証券を除く) を「有価証券」に投資する会社のことだ。 SECによると、ビットコインは証券ではない。したがって、ビットコインを保有していようと、MicroStrategyがICになることはない。

また、ETFおよび ETPは株式、債券、またはコモディティに投資するために存在し、1940年の投資会社法に基づいた投資会社だ。アップルやマイクロソフト同様、MicroStrategyは証券取引所で取引される事業会社だ。我々は、ただBTCを準備資金として保有しているだけだ

Michael Saylor最高経営責任者による上記の発言は、準備資産として4万超のビットコインを保有するMicroStrategy社が、投資会社、ひいては事実上の上場投資信託(ETF)になってしまったのでは、という批判に対する反論だ。

同社の70%の株式を所有するSaylor氏のビットコインに対する信頼は厚く、積極的にビットコイン投資を推進する発言を展開している。また、12月12日、同社はさらなるビットコイン追加購入のため、約680億円の資金調達に成功したと発表した。

ビットコイン投資から恩恵を享受するMicroStrategy社

一方、MicroStrategy社を事実上のETFとして捉える考え方も、全く根拠がないわけではないようだ。米ブルームバーグのアナリスト、Mike McGlone氏は、同社の株が「ビットコインと連動するETFのように見える」と評している。

実際、8月にビットコインの大量購入を発表して以来、同社の株価は2倍以上に上昇している。

同社の第3四半期の決算では、購入したビットコインが高騰したことを受け、2ヶ月間のビットコインの含み益が、過去3年半の同社の事業利益を上回ったことが明らかにされた。また、同時に、ビットコインを主要な財務準備資産として運用すると発表した。

米カード発行・決済企業Marqueta社のEllie Frost氏は、ビットコイン投資に制約がある多くの投資ファンドにとって、間接的にビットコイン投資へのエクスポージャーを得られるMicroStrategy社への投資(株式購入)は「両方からうまい汁を吸うことができる」、つまり、ビットコインと従来の株式投資両方から恩恵を受けられるとツイートしている。

企業がビットコインに投資すべき理由

Saylor氏は、様々なインタビューで大量のビットコイン保有の理由を説明し、ビットコインに強気な姿勢を貫いてきた。今月8日に行われた、仮想通貨取引所最大手バイナンスの創設者でCEOのChangpeng Zhao(CZ)氏と対談でも、企業が主要な準備資産としてビットコインへの投資を真剣に考慮すべき理由を強調した。

Saylor氏は、今年3月、過去10年間は年に5.5%程度拡大してきたマネーサプライが、今年は約24%と飛躍的に拡大し、さらに今後5年間は毎年15%拡大するという事実に気づき、愕然としたという。このようなマネーサプライの拡大によって、法定通貨の価値の大幅な下落は避けられず、「資本コストが3倍になる」ことを意味するため、利回りが15%を上回ることができない債券や株式、不動産は「価値を失う」と指摘した。

現金はもとより、「法定通貨建ての金融商品である債券、不動産、株式」は、全て減耗していく中、富の保存手段として検討する対象として金、銀、コモディティや美術品があるが、最終的にはビットコイン一択になると同氏は述べた。なぜなら、ビットコインは、「金を保有するための障害もなく、金の優れた属性が全て揃っている、完璧に設計されたデジタルゴールド」であるからだという。

企業が富を維持するためには、ビットコインこそが「究極の安全資産であり、価値を蓄えるもの」として最良の選択肢だとSaylor氏は主張している。

著者:幸田直子

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