- 中国発のプラットフォーム「VeChain」とは
- Vechainとは、「改ざんできない」特性を持つブロックチェーン技術を活用し、商品の「真贋(しんがん)選定」を行うことができる仮想通貨。
Vechainとは
Vechainとは、「改ざんできない」特性を持つブロックチェーン技術を活用し、商品の「真贋(しんがん)選定」を行うことができる仮想通貨です。
そのほか、流通や製品管理、輸送手段の効率化などにも使用することができるプラットフォームです。
概要
通貨名 | Vechain |
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通貨コード | VEN |
公開日 | 2017年8月15日 |
発行上限 | 8億6700万枚 |
公式Webサイト | https://www.vechain.com/#/ |
開発の歴史とロードマップ
日時 | 内容 |
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2015.06 | TPOC(最初のVeChainデザイン) |
2016.01 | Ethereum TPOC承認、VeChain ver.0.1の開発を開始 |
2016.06 | VeChain ver.0.1をリリース。基本的なスマートコントラクトテンプレート、ブロックチェーンエクスプローラ、標準ブロックチェーンAPI、Androidアプリ、第1世代のVeChainスマートチップ、第1のビジネス実装の実現 |
2016.09 | VeChain ver.1.5をリリース。機能的なスマートコントラクトテンプレート、サービスインフラストラクチャの再調整、APIゲートウェイ、VeChainダッシュボード、iOSアプリ、第2世代VeChainスマートチップ |
2016.11 | VeChain ver.2.0をリリース。よりスマートなコントラクトテンプレート、DBGP、DBMSP、およびDGIPモデルを開発。 |
2017.05 | VeChain ver.3.0をリリース。贅沢なセグメント、自動車、農業および監査でより多くのビジネスを開始。 |
2017Q4 | BLACP、PBCP、DCCP、CHAOS go-live、第3世代スマートチップ、非対称ブロックチェーンチェックサム、VeChainがBaaSクラウドプラットフォームをリリース。 VeChainトークン(VET)は、VeChainトークン(VET)ウォレット、ガス交換、監査サービスなど、VeChainトークン(VET)関連サービスを開始。 ERC20トークンは1対1で交換。 |
2018Q4 | VeChain v4.0 go-liveをリリース。商業的環境環境システム統合プラットフォームを実現。IoT、より具体的な産業ブロックチェーンクラウドとの統合。 |
VeChainの特徴
Vechainの特徴と将来性について、公式に発表されている活用例の以下の7項目について解説していきます。
1:食品
日本でも「産地偽装問題」などがたびたびクローズアップされる食品安全については、世界的にも重要な関心事です。
食品メーカーやブランドが安全対策を準拠・確保し、同時に消費者に責任を負うことが不可欠です。
VeChainは、ブロックチェーンを使用することで、偽造を防止し、販売元と輸送手段を追跡可能にし、偽造や誤操作を抑止することができます。
2:高級品
各製品に「NFCチップ」と呼ばれるチップを埋め込み、各製品にはNFCチップ上およびプラットフォーム上で独自のデジタルIDを割り当てます。
製品の流れ(製造、物流、倉庫保管、流通、小売、品質チェック)はスマートコントラクトによって自動的にプラットフォーム上に保存され、改ざんすることは不可能です。
そして、消費者はモバイルアプリを通してデータにアクセスし、製品の流れを全て確認できるようになります。
3:自動車
自動車業界では、数多くの職種が関与し、職務分離が求められており、デジタル化のプロセスが遅くなっているという現状があります。
VeChainは、自動車産業におけるデジタル化とコラボレーションを強化する解決策を提供します。
各自動車に固有IDを割り当て、固有IDに基づいて各車のデジタルプロファイルを作成し、さまざまな所有者の間で車を追跡します。
自動車メーカーが各車の走行距離を追跡できるようにすることで、データが改ざんを防ぎます。
このデジタルプロファイルには車に関するすべての関連データが含まれており、スマートコントラクトで操作します。
近い将来、保険会社や金融機関が関与することで、デジタルプロファイルの利便性が向上します。
4:小売
小売産業は「経験経済」の時代に突入しました。
ソーシャルメディアの影響で、消費者は製品そのものよりも、経験を重視するようになりました。 Vechainプラットフォーム上には各製品固有のIDが存在するため、製品の「ストーリー」を伝えることができます。
つまり、ブランドの歴史や職人の思い入れ、生産されてからお店に届くまでの製品の流れをたどることができます。
そうすることで、顧客の信頼を得るだけでなく、顧客とブランド・顧客と製品との強い絆を構築することが可能になる、とされています。
5:農業
中国の農業は、
- 分散された生産体制・品質の低さ
- 安全性の低さ
- 労働生産性の低さ
- 環境汚染を引き起こす肥料や農薬の不適切な使用
などの一連の課題に直面しています。
VeChainは、環境に配慮した有機農業製品の認証に、ブロックチェーン対応クラウドサービスを提供します。
IoTセンサーとモバイルデバイスを使い、気候と土壌条件をフィードバックし、リアルタイムモニタリングを行いクラウド上のデータが更新されます。
このデータは暗号化されることで、改ざん不可能であり、同時に適切な権限を持った関係者が秘密鍵を用いて簡単にアクセスすることができます。
データ収集により、農業企業は作付け方法を改善し、作物の量と質を改善し、製品の利益を増やすことができます。
さらに、環境への肥料や農薬の悪影響を最小限に抑えることができます。
6:低温流通体系
低温流通体系とは、冷凍・冷蔵によって低温を保ちつつ、生鮮食料品を生産者から消費者まで一貫して流通させる仕組みのことです。
低温流通体系が直面している5つの問題点は、
- 均一性
- 安全性
- 効率性
- 透明性
- 共有性
の確保です。
ブロックチェーン技術とIoTの融合で、この問題点を解決します。
輸送車両にスマートセンサーを搭載し、低温物流中の温度、湿度などの重要な情報を収集し、リアルタイムでブロックチェーン上に記録します。
データは暗号化されており改ざん不可能で、生産会社と消費者は輸送状況を容易に確認し追跡することができます。
こうすることで、生産会社はより信頼を集め、第三者物流業者からの提案で運用コストを大幅に削減することができます。
7:ロジティクス
ロジティクスとは、「顧客のニーズに合わせ、原材料や完成品などの効率的な流れを、必要に応じてローコストで計画・実行・管理する」経営手法です。
ロジスティクス業界は、急速に進化しており、今や世界的な商取引でも非常に成熟しています。
しかしながら、関与する各企業間で情報のサイロ化が起き、非効率性と非生産性をもたらしています。(※サイロ化:業務プロセスや業務アプリケーション・システムなどが、外部との連携を持たずに自己中心的で孤立している様)
Vechainプラットフォームを用いることで、製品単位で商品を管理することができ、透明で不変で安全なプラットフォーム上の情報に秘密鍵でアクセスできるようになります。
VeChainプラットフォームは、より良いサービス、個々の製品の正確な物流情報を顧客に提供することができます。 また、新しい物流やビジネスモデルが開発される土台を築きます。
開発支援コミュニティー
VeChain財団は、2017年7月にシンガポールに設立されたNPO(非営利団体)です。
VeChainの開発、構築およびガバナンス、透明性の維持、提唱およびプロモーション活動に従事するVeChainスポンサー企業として活動しており、オープンソースコミュニティの安全と調和のとれた発展を促進します。
調和のとれたガバナンス体制の経験を踏まえ、戦略的意思決定委員会、技術監査委員会、報酬委員会、指名委員会、広報委員会などの機能委員会を設置しています。
まとめ
Vechainは、流通や製品管理、輸送手段の効率化など、様々な場所で活用されることを想定し、開発が進められています。
現在では時価総額上位に名を連ねるまで成長し、今後の将来性に期待感を持つ投資家が多数存在していることが伺えます。
一方で、メインネット移行による期待感で短期的に急上昇した、との指摘もあるので、長期保有する方はプロジェクトの動向を逐一追っていく必要性もあります。
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