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イスラエル当局、仮想通貨の課税強化で「国外取引所や政府」と連携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ウォレット保持者に資産開示要求

イスラエル税務当局(ITA)が暗号資産(仮想通貨)への課税を強化していることが分かった。ITAは、国外の仮想通貨取引所や政府機関からもデータを取得し、イスラエル人が保有するアカウントに関する情報を収集しているという。

現地メディアGlobesの報道によると、特に仮想通貨ウォレットの保有者には、仮想通貨以外のものも含め、すべての資産と所得を報告するよう求める手紙が当局から送られている。

ITAは、イスラエル国内やその他世界中の仮想通貨取引所に問い合わせを行い、イスラエル人の取引情報を入手しており、課税逃れを防ぐ対策に乗り出しているという。

金融口座情報の自動交換のためのEU共通報告基準(CRS)を適用し、イスラエル人が保有する欧州の資産やアカウントに関するデータも取り寄せており、米国からも米内国歳入庁(IRS)のデータを外国に伝達するFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)協定を通じて取得している。

イスラエルの地方税務事務所の中には「あなたの活動についての情報を持っていますが、確定申告書の内容と一致しません」という文面の手紙を仮想通貨保有者に送る所もあり、関連する法律相談が増えているようだ。

背景に2つの要因

こうした取締り強化の背景としては、ビットコインを始めとする仮想通貨の高騰や、国の財政赤字が拡大していることが指摘されている。

S. Horowitz法律事務所の税務プラクティスグループ会長であるLeor Nouman氏は次のように説明した。

税務当局が最近、この分野への関心を新たにしたことには、2つの要因がある。すなわち仮想通貨課税によるリソースで公共財源を埋めたいという願望だ。またビットコインが急激に上昇したこともある。税務当局の作業前提は、ビットコインが2万ドルを突破したので、かなりの数のトレーダーがキャッシュアウトしたはずで、税務当局はかなりの金額を手にすることができるというものだ。

イスラエル税務局の元副局長で、仮想通貨課税計算プラットフォームBittaxの創設者でもあるGidi Bar-Zakay氏は、テクノロジーを用いてウォレットアドレスからさらに追跡ができると語った。仮想通貨取引所から当局はウォレットのアドレスを収集しており、追跡技術を採用すれば、そのアドレスからさらに、適切に報告されていないウォレットやプラットフォームも調査できるようになるという。

なお、イスラエルの仮想通貨税制は、2018年の税務当局見解により、営利企業ではない場合、仮想通貨の投資家は25%のキャピタルゲイン税を課される。

米国、スペインも仮想通貨申告を強化

米国では8月に米内国歳入庁(IRS)が2020年度の確定申告にあたり、米国労働者が仮想通貨利用の有無について回答する必要があると発表した。

所得税確定申告書(草案)で、納税対象となるすべての米国労働者が2020年に仮想通貨を購入、売却、送金、交換するなどの関連活動を行なったかどうかに関して回答する要項が設けられたものだ。

関連:米IRS、2020年度確定申告で仮想通貨取引への回答が必須に

またスペイン政府も、仮想通貨の保有額開示を義務化する新税制法案を準備している。

脱税防止を目的として、仮想通貨の保有額と利益の報告を義務化する内容などが盛り込まれた法案だ。スペインの税務庁(AEAT)は今年初め、2020年にはスペインの企業や市民が行う仮想通貨を巡る行動に関する情報をこれまで以上に厳密に収集し、監視体制を強化すると説明していた。

関連:「仮想通貨の保有額開示」を義務化 スペイン政府、新税制法案を準備

経済協力開発機構(OECD)は10月に「仮想通貨への課税」レポートを発表、税務報告上の手間や問題点を解決する案も提示している。

例えば、異なる種類の仮想通貨間の取引を所得税の対象から除外し、トークンを法定通貨に変換したり、商品やサービスの購入に使用した場合にその利益に課税される仕組みや、小規模な個人取引には免除制度を設けるなどが検討可能だとしている。

関連:仮想通貨課税の国際指針──経済協力開発機構が日本含むG20に提案へ

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