米グレースケール、GBTCなど新規顧客の募集を再開
米国で機関投資家を対象に暗号資産(仮想通貨)の投資信託商品を提供するグレースケール社が新たな顧客の募集を再開したことが確認された。同社の投資信託ファンドは12月21日、新規顧客の募集を一時停止していた。
本稿執筆時点では、イーサリアム投資信託とXRP投資信託以外の投資信託商品の提供が再開されている。
追記:グレースケールはその後、XRP投資信託「XRP Trust」の廃止を発表した。
グレースケール社、新規口座の受付停止の仕組み
グレースケール社は12月21日、ビットコイン投資信託(GBTC)やイーサリアム投資信託を含む6つの投資信託商品の新規顧客募集を一時停止。グレースケールの関係者は「ちょうど一般の窓が閉ざされ、私募の窓が開かれるタイミングだ」と海外仮想通貨メディアDecryptに対してコメントしていた。
Grayscale stopped buying $BTC & $ETH? Can only buy $XRP, $XLM & $ZEC pic.twitter.com/Lr5V7dsRCW
— Edward Morra (@edwardmorra_btc) December 21, 2020
機関投資家や米証券取引委員会(SEC)から認められた認定投資家を対象に投資商品を提供するグレースケール社の投資信託は6ヶ月間保管された後、一般投資家など流通市場に売却することが可能となっている。
その為、先月21日に流通市場に公開されたGBTCなどの投資信託商品は6月時にロックアップされたものだ。
12月以前には2020年6月にも新規シェアが公開されており(口座開設の一時停止が行われた後)、そこから半年後の12月21日に新規公開を一時停止していた為、グレースケールとしては通常通りのシステムだと言える。
GBTCはビットコインの現物価格に比べ約30%のプレミアムがつくことで定評があるものの、投資家としては一般の株式と同様に売買できる点や、IRA口座(個人退職口座)など老後の投資手段として活用できる点が魅力的とされている。
1月5日:XRPのDLCファンドにおける取扱いについて
なお、グレースケール社は先週5日、時価総額上位の仮想通貨銘柄から構成されている投資信託商品「Digital Large Cap Fund」から仮想通貨XRPを除外。今月4日の時点でポジションを清算し、売却資金はビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインへ充当されていた。
グレースケール社は詳しい要因に関する言及は控えたものの、XRPの取扱い停止はリップル社への訴訟が明らかになった約1週間後、12月30日に決断されたと発表している。
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