FoundryとマイニングファームCompute Northが提携
ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)投資で世界最大手のベンチャーキャピタル、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)の子会社Foundryが、米国のマイニングファームCompute Northとの提携を発表。これにより、ビットコインをマイニングするための機関投資家レベルのターンキー(すぐに使えるの意)ソリューションを北米の企業に提供するという。
契約の一環として、Foundryは14,000台のMicroBT製マイニングマシン「Whatsminer M30S」を提供、これらのマシンはCompute Northの所有する施設でホストされることになる。Compute Northは、2021年第1四半期から、これらのデバイスに47メガワット(MW)の電力を割り当てる予定だ。
Foundryは、このマイニングマシンの一定部分を自社で使用するために保持しつつ、残りのマシンを機関投資家に販売する。
投資家は、Compute Northから直接マシンを購入するか、Foundryを通じてマシン価格の何分の1かの頭金を支払い、購入後ほぼ瞬時にCompute Northの施設でマイニングマシンを稼働させることが可能だとしている。
すぐに使えるマイニングマシンを用意することで、北米企業や、マイニングを介してビットコインをポートフォリオに追加することに関心のある投資家のリスクを軽減し、参入障壁を下げることが目的だという。
北米企業のマイニング参入障壁に対処
プレスリリースによると、北米の企業は、50〜100%の頭金と、発注から納品までにかかる4〜5か月の平均リードタイムのために、アジアからの次世代マイニングマシンの調達に苦労する傾向がある。
また納入遅延や、新しい国際貿易政策など他の不確実性によるリスクも存在しており、調達が成功した後でも、マシンをホストするための信頼できるパートナーが必要となる。今回の提携により、両社はこうした課題に対処できるとしている。
FoundryのCEO、Mike Colyer氏は、次のように述べた。
このパートナーシップにより、ビットコインマイニングを北米の機関投資家や企業にとって利用しやすくする上で、両社の結び付きがさらに強化される。
また、Compute Northの創設者でCEOのDave Perrill氏は「業務効率と低コストに重点を置くことで、北米において好まれる仮想通貨コロケーションサービスプロバイダーになることができた」と述べた。尚、コロケーションとは設備の整ったデータセンターに、他社のサーバーや機器などをホストすることである。
プレスリリースによると、ビットコインマイニングの収益性向上により、マイニングマシンやマシン購入のための資金調達オプションの需要は高まっている。この需要に応えるために、FoundryはMicroBTと提携して、MicroBTの「Whatsminer M30S」の将来購入する在庫へのアクセスを確保したという。
フル稼働すると、今回準備された14,000台のマシンは毎秒約120万テラハッシュ(TH /s)の計算能力を生成し、ビットコインネットワークの現在の合計の約0.8%を占めることになりそうだ。様々な要因により実際の数値は変動するものの、ビットコインの現在の採掘難易度でこの量のハッシュレートは、24時間で約7.5ビットコインを生成する可能性がある。
北米マイニング企業は事業規模拡大中
北米のマイニング企業間で競争は激化しており、各社が積極的に最新型マイニングマシンを追加購入している状況だ。
2020年12月末には、ナスダック上場の米大手仮想通貨マイニング企業Marathon Patent(以下Marathon)がBitmainと7万台の「AntminerSー19」を購入する契約を結んだことを明かした。
新しい購入により、その事業規模は3倍以上となり、合計10万3,000台のマシンにより、同社によると1秒あたり10.36エグザハッシュ(EH/s)のマイニングパワーを得る計算だという。
その他にRiot Blockchain、Core Scientificも大規模な追加購入契約を発表。
ビットコインマイニングについては、中国のハッシュレートシェアが依然として圧倒的だが、FoundryのMike Colyer氏は、長期的にみると米国が世界のハッシュレートの25%のシェアを獲得することを期待しているという。
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