クラーケンの株式上場
米国の老舗暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンの幹部が、株式上場を検討していることを、米大手メディア「Fox Business」の上級記者が報じた。
クラーケンはユーザーが増加しており、来年にはブランク・チェック・カンパニー(SPAC)との合併か、従来の新規株式公開(IPO)の方法で上場する可能性があると説明。業界の情報筋は、今年の夏には仮想通貨企業がSPACを活用して上場する事例が増えると見ており、それによって今後は規制当局の監視が強まるとの見解を示しているという。
SCOOP: @krakenfx execs eying going public possibly through a SPAC or IPO possibly sometime next year as online crypto exchange's customer growth ramps up; industry sources expect a raft of crypto SPACs this summer and with that, much more regulatory scrutiny more now @FoxBusiness
— Charles Gasparino (@CGasparino) March 16, 2021
クラーケンの株式上場の可能性には、最近注目が集まっている。今月にはブルームバーグTVで、同社のJesse Powell最高経営責任者(CEO)自身が上場の可能性に言及。「保証はできないが、来年中にも上場を申請する可能性はある」とした。
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SPACとの合併による上場とは、先に「企業買収を目的とする企業(SPAC)」が上場して資金を調達、その後ターゲット企業(今回でいうとクラーケン)を選定し買収することで、株式上場を果たす仕組み。従来型のIPOを回避して資本市場に株式を上場する手法として、SPACを活用した上場事例は近年増加傾向にある。
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仮想通貨メディアCoinDeskはクラーケンとコンタクトをとり、担当者のコメントを掲載。「来年に株式上場を行うことを検討している可能性はあるが、その際は直接上場(DPO)を行うだろう。SPACを活用して上場するには、クラーケンは規模が大きすぎる」と説明したと報じた。
Powell CEOはブルームバーグTVに出演した際、「時価総額100億ドル(約1兆円)の企業として上場させる予定はあるのか」との質問に対し、「100億ドルは過小評価で、その評価価値では既存の株主が株式を手放さないだろう」とコメントしており、ただ上場するだけでなく、適正な価値の評価を求める姿勢を示すなど、上場プロセスや資金調達プロセスの面で、より明確な構想があると見られている。
参考例となるのが、ナスダックに直接上場することが決定している大手取引所コインベースのケースで、ナスダックプライベートマーケットにおける非公開株の取引では、推定時価総額が1000億ドル(約10兆円)規模まで達している。
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また、16日にSPAC上場を発表した投資プラットフォームeToroの推定時価総額は104億ドル(約1.1兆円)だった。