Visaとグローバルパートナーシップを締結
暗号資産(仮想通貨)取引所や決済サービスなどを運営するCrypto.comがクレジットカード大手Visaとのグローバルパートナーシップ締結を発表した。
これにより既存のCrypto.com Visaカードの利用範囲をさらに拡大し、機能を充実させる。また、仮想通貨を担保とするレンディングサービスも開始するという。
2018年にシンガポールで発売されたCrypto.com Visaカードは、現在米国やカナダに加え、31の欧州諸国およびAPEC(アジア太平洋経済協力)加盟国で利用可能。今回のパートナーシップにより、今後はCrypto.comが現在サービスを提供していない、新規市場や顧客層にもリーチしていくとしている。
Visaの仮想通貨部門責任者Cuy Sheffield氏は次のように述べる。
仮想通貨は、デジタル決済の価値をより多くの人々や場所に広げる可能性を秘めており、我々はこのビジョンを実現する企業と協力したいと考えている。仮想通貨取引所と関連するVisaのカードプログラムの中でもCrypto.comとのパートナーシップは現在最大級だ。我々は世界中の人々が仮想通貨をより素早く、簡単に使えるようにしていく。
Crypto.comの共同創設者でCEOのKris Marszalek氏は次のようにコメントした。
今回、世界初となる数々のサービスを提供することで、Visaとの提携関係をさらに深めることができて、大変うれしく思う。(中略)また顧客がその手元に保有する仮想通貨の価値を利用できるようにする「Spending Power」を展開していくことを楽しみにしている。
仮想通貨を担保とした融資サービス
「Spending Power」とは、この度打ち出される新たな機能で、Crypto.com Visaカード専用のレンディングサービスだ。
カード会員は、Crypto.comのデジタルウォレットに保有する仮想通貨を融資の担保として、Visaが使える店舗ならどこでも、即座に法定通貨決済を行えるようになる。Crypto.comによると、低金利で柔軟な返済方法を備えているという。
今回の提携拡大では、他にオーストラリアのVisaネットワークにおけるプリンシパルメンバーシップも実現。プリンシパルメンバーは、Visaからライセンスを付与され、カードを直接顧客に発行することが可能だ。
また、ヨーロッパでもバーチャル形式のカード提供を開始。ユーザーは物理的なカードが手元に届く前に、バーチャルカードを利用できる。
Crypto.com Visaカードは特典として、購入時に最大8%の還元を用意するものだ。これからどの地域にサービスを拡大していくのか注目される。
Forbesによると、Crypto.comは、現在約1,000万人のユーザーを有している。また、Kris Marszalek CEOは、2023年にIPO(新規株式公開)を検討していると語ったという。