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米ワイオミング州、自律分散型組織(DAO)の法人化を認める法案を下院へ提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DAOを法的に企業と認める法案が州下院へ

米ワイオミング州上院で、自律分散型組織(DAO)が州法の下で法人化される道を開く法案が可決された記録が議会サイトに掲載された。18日には下院に正式に提出され、鉱業、ビジネス・経済開発委員会に送られている。

仮に下院でもこの法案が可決されれば、次は上院と下院で一致しない点を調整した上で、ワイオミング州のMark Gordon知事に送付され、署名されることになる。上院での最終的な投票結果(11日結果)は、賛成28票・反対2票という結果だった。

自律分散型組織(DAO)とは、一般的な法人のような中央管理者が存在せず、その参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる、分散型の自律組織である。

この法案は、ある条件の下でDAOが有限責任会社(LLC)という法人になることを認めるもの。米国の州法でDAOを法人とみなす画期的な法案とされる。

経営に関する決断の分散化が可能に

オンライン技術メディアTechnical.lyのCEO、Chris Wink氏はDAOが組織にもたらす影響について執筆。Wink氏によると、DAOではスマートコントラクトのような新たなテクノロジーを用いて、スピード感があり効率もよく民主主義的な会社の運営を実現する可能性があるという。

例えば、トークンを保持している従業員が対等な立場で投票して、会社の意思決定を促す仕組みも設置可能だ。

具体的な場面としてWink氏は、人事担当者が社員の多様性を高めるための努力を行っても、それが最終的に幹部の優先順位と一致しなかった場合を挙げている。こうした時に、経営幹部が決断をくだすという組織構造から、従業員が対等に決断権を分散保有するという構造へ変わった場合、社員の役割や組織全体も変化し得ると示唆した格好だ。

Wink氏は「DAOが優れているかどうかは、実験で検証する必要がある」とも続けた。

この新しく実験的な概念である「DAO」を、法人と認めることについて懸念を示している者もいる。Anderson Kill法律事務所のパートナーPreston Byrne氏は、「無名の仮想通貨や中途半端なコード」などを正当化することにDAOが使われかねないとも指摘した。

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