仮想通貨投資ファンドの資金フロー
英暗号資産(仮想通貨)投資企業Coinsharesが、デジタル資産のファンドにおける前週の資金の動きをまとめたレポートを公開した。
19日の金曜日までの1週間に仮想通貨投資信託などのデジタル資産のファンドに流入した合計金額は9,900万ドル(約107億円)。週ごとで見た需要は減少しているが、資産運用額(AUM)は570億ドル(約6兆円)に達し、過去最高額を更新した。
上記が週ごとの資金流入額を表したグラフだ。横軸がその年の何週目かを表しており、先週は右端の12週目。全体的な流入額は1月から減少傾向にあることが分かる。
Coinsharesが集計しているファンドの提供企業ごとの流入額は以下。AUMが最も多いのは、米グレースケールの445億ドル超(約4.8兆円)である。先週、Coinsharesだけは流出額の方が多く、2,590万ドル(約28億円)のマイナスとなった。
ファンドの提供企業を地域別に見ると以下のようになるため、Coinsharesは「米国における需要は減少し、欧州やカナダは需要を維持している」との見方を示している。
- グレースケール:米国
- CoinShares:ジャージー
- 3iQ Corp:カナダ
- ETC Issuance GmbH:ドイツ
- 21Shares:スイス
- Purpose Investments:カナダ
特にカナダは今月に3つ目のビットコイン上場投資信託(ETF)が承認されるなど、最近市場の動きが活発化している。一方、米国ではビットコインETFが承認された事例はないが、申請は増加してきた。
資産別に見た資金流入額は以下の通り。先週の流入額・AUMともビットコイン(BTC)が最も多く、その次にイーサリアム(ETH)、複数資産のファンド、Polkadot(DOT)、ビットコインキャッシュ(BCH)と続いている。依然としてビットコインとその他の資産では大きな差がついている現状が見て取れる。