CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨特許同盟COPAがクレイグ・ライト氏を提訴、ビットコイン「ホワイトペーパー」著作権巡り

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Cryptocurrency Open Patent Alliance(COPA、仮想通貨オープン特許同盟)は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のホワイトペーパーの著作権を巡って、その権利を主張するクレイグ・ライト氏に対し、訴訟を提起したと発表した。

我々は、ホワイトペーパーの著作権問題を巡り、脅かされているビットコイン開発者コミュニティをはじめ、関係する人々を支持する

ーCOPA

この訴訟でCOPAは、「ビットコイン・ホワイトペーパーの著者であり、その著作権を所有している」というライト氏の主張に関して、英国高等法院の判断を仰いでいる。

訴訟に至った経緯

ビットコインの生み親『サトシ・ナカモト』を自称するライト氏は、今年1月21日付で、ホワイトペーパーのウェブサイトへの掲載は、同氏が所有する著作権の侵害にあたるとして、掲載を取りやめるよう複数の業界団体や企業に停止命令を送付した。

その中には、サトシ・ナカモト自身が設立に携ったとされるBitcoin.orgや、ビットコインのクライアントソフトBitcoin Coreの維持とリリースを行うBitcoinCore.orgも含まれていた。

Bitcoin.orgは、クレイグ氏の主張に法的根拠がなく、脅しには屈しないとして掲載を継続しているが、訴訟にかかる時間・労力・費用を回避して開発に集中することを選んだBitcoinCore.orgは、公式サイトからホワイトペーパーを削除せざるを得なくなった経緯がある。

関連:自称サトシ・ナカモト、ビットコインホワイトペーパーの掲載取り下げを要請

このような状況を受け、「オープンな金融システムを支持し、イノベーションを阻害する障壁を取り除くために結成された」COPAは2月、ライト氏の停止命令に対して、著作権主張の詳細な根拠を示すように要請する書簡を送った。ライト氏がサトシ・ナカモトであることを証明せよとする内容だ。

同書簡は、2月19日までにライト氏側の回答を求めており、その回答に基づく両者の協議によって訴訟回避を望んでいると結んだものだ。今回の訴訟から察するに、COPAは期日までにライト氏から回答を得られなかったものと思われる。

ライト氏は、自分こそが「サトシ・ナカモト」であるとの主張を繰り返し、ビットコイン関連で数多くの訴訟を巻き起こしてきた。2019年5月には、ビットコインコードとホワイトペーパーに関し米国著作権局に著作権の申立を行ったこともある。

なお、同氏の主張に基づく訴訟で、これまでに成功したものはないようだ。

COPAとは

COPAは、Twitter社のジャック・ドーシーCEOが率いる米モバイル決済大手のスクエア社が主体となって、2020年9月に設立した非営利団体。基礎的な仮想通貨技術に対する特許を主張しないよう企業や関連団体に求めている。(訴訟等に対する防御目的以外)

また、必要に応じて、メンバーが互いの特許を使用できる共有の特許ライブラリを作成し、所有する特許をプールすることを誓約することが、規約に盛り込まれている。

基礎的な仮想通貨技術を特許により閉じ込めてしまうことは、技術革新を阻害し、これらの技術が新たに、そして改良されて応用されることを妨げる。また悪質な行為者による誤った攻撃的な特許の使用は、仮想通貨技術の成長と自由な利用を脅かすことになる。

仮想通貨の根源ともいえる、ビットコインのホワイトペーパーの著作権を主張し、サイトへの掲載を禁ずるライト氏の行為は、まさにCOPAが憂慮していた「メリットのない訴訟」であり、コミュニティが「共同で対応する必要がある」事例に相当すると見られる。

広報担当者は、「COPAは仮想通貨コミュニティに革新的な力を与え、イノベーションの妨げとなるものを取り除くことを目的としている」と述べ、今回の訴訟がコミュニティのために取り組む一例であるとした。

COPAは「特許に対する認識や利用を破壊的な武器になりかねないものから、仮想通貨技術の革新や進歩の障壁を取り除くツールに変える」ことを目指しているという。そして、初期段階にある仮想通貨が成功するためには、コミュニティが一丸となって、特許に縛られない既存の技術をベースに、革新的な開発を行うことが必須だと主張している。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア